LGBTQ

ゲイの天才数学者!イギリスのアラン・チューリングが紙幣の顔に!

アラン・チューリングと言えば、現代のコンピューターの基礎を作ったと言われている人物だ。第二次世界大戦中には、ナチス・ドイツが作成した読解困難と言われた暗号を解読した。暗号解読はイギリス連合国の勝利につながったとも言われている。

そんな偉大な人物だが、アラン・チューリングはゲイだったため、不遇な扱いも多く受けてきた。当時のイギリスではゲイが違法だったこともあり、わいせつ罪で逮捕されてしまったのだ。

最終的に刑務所に入るか、ゲイを治療するかの選択を迫られることになったが、矯正治療を選択した。治療法というのが、科学的な去勢である。そして、41歳という若さで自らの命を絶つという選択肢を取ってしまったのだ。

歴史に残る偉大な人物に対し、イギリス政府はゲイだからという理由で迫害したことを公式に謝罪している。チューリングの怒涛の人生は、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』という映画にもなった。

データ出典:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

アラン・チューリングはさまざまなLGBTQに影響を与えて紙幣の顔になった

アラン・チューリングは、LGBTQに対する理解を求めた運動をしてきたわけではない。数学の天才者がたまたまゲイだったという話だ。しかし、2017年には同性愛で有罪判決を受けたまま亡くなった男が恩赦を受ける法律が施行し、チューリング法と呼ばれている。

そして、新しく発行される紙幣の顔にも決まったのだ。紙幣の最終候補になったのは、他に11人ほどいる。中にはマクスウェルやホーキング氏など、世界的に有名な科学者もいた。それ以上にアラン・チューリングが残してきた実績は大きかったというわけだ。

データ出典:Bank of England

世界的にLGBTQを支援し、認める動きは活発化しているが、根強い差別環境が残っているのも事実である。今回、ゲイの天才数学者が紙幣の顔になったことで、LGBTQが国に公式に認められたと言っても過言ではない。

新しい紙幣は、2021年末までに流通が始まる予定だ。新しい紙幣がLGBTQを取り巻く環境にどんな影響を与えるか楽しみである。