LGBTフレンドリーの企業が増えているが、その背景にはビジネスに絡めた戦略も見え隠れする。日本におけるLGBTの割合は全体の約8%と言われているが、大きな市場需要があると見込まれている。
LGBTを対象とした市場規模は兆を超える
LGBTを対象とした市場規模は、国内で5兆円になると言われている。また、イギリスでは約7兆円、アメリカでは約77兆円という規模の大きさだ。世界規模だと100兆円を超えると試算されており、さまざまな消費が頭打ちになっている現代において、国内で数兆円が手つかずの状態である。
LGBTの消費傾向として、海外・国内旅行・ペット関連商品・サービス・芸術分野において高い消費支出傾向が見られる。他にも、食費・アルコール・インテリア・ファッションでも、ストレート層に比べると多くの支出をしている。
LGBTは市場を牽引する力がある
LGBTは、新しい商品や新しいサービスに対して敏感だ。あるファッションブランドが調整した例では、LGBTの購入頻度がストレートに比べて3倍、ネット通販では2倍以上の購入率になっていると結果が出た。
多少金額が高くても自分に合っていると思えば、購入を判断する傾向にあるため、そういった観点からも市場を牽引するイノベーター層として注目されている。近年、政府や自治体のダイバーシティへの取り組みは積極的になっている。世界的に有名な大企業も積極的にLGBTへ配慮した商品作りに力を入れている。
海外旅行やインドア消費が突出している
LGBTの消費の内訳を見ていると、海外旅行やインドア消費が突出して多いのが分かる。同性同士が一つの部屋に寝泊まりするのは、LGBTにとってかなりのハードルの高さだ。海外なら人目を気にする必要がないため、海外旅行に行く人が多いと考えられる。海外の方がLGBTに対して寛容的な場所も多い。
インドア消費に関しては、外出して人目を気にするくらいなら、家の中で楽しめることを楽しむという考えだろう。LGBTの市場を見ると、改めてLGBTの行動が見えてくる。