グローサリー・アウトレットというアメリカの激安スーパーをご存じだろうか。1946年に創業し、日用品や食品などを幅広く取り扱っているスーパーマーケットだ。もともとは軍の余剰在庫を販売していたお店だが、今は西海岸を中心に約300店舗を展開している。
現在、多くの店舗がネット通販を行っているが、このお店はネット通販をしてないのが特徴だ。顧客は何を求めて古いスーパーに足を運ぶのか気になるところだ。
■日本だとドンキホーテに近い感覚
グローサリー・アウトレットの主力商品はアウトレット商品だが、有名なブランド品を40%から70%の値引きで売っている。ホームページにはお店を利用することで、顧客がどれくらい節約できたかについての説明もある。お手頃な値段の商品を得した気分にさせる体験がさせられる。
■右肩上がりの業績
創業してからお店のスタンスは大きく変わってない。アメリカには直接取引をする慣習があるが、商品を供給する側は過剰在庫を抱えることや、安売りするブランドイメージを壊すリスクを軽減するために、グローサリー・アウトレットに商品を仕入れてもらうわけだ。
グローサリー・アウトレットの業績は右肩上がりになっているが、利便性の提供だけでなくお得な価格を売りにしているのが特長だ。安売りして顧客を集めるわけではなく、長い時間をかけて大量に安定して仕入れる関係性を築いたことで実現している。
■日本人が勝ち残るためのヒントが隠れている
グローサリー・アウトレットのように、インターネットに頼らなくても安定した売り上げを出している企業もある。小売業ではアマゾンの台頭にリアル店舗が押されてしまっているが、ネット通販が世界のお店を支配することは不可能だ。
グローサリー・アウトレットのように、明確なコンセプトがあるお店は強い。また、グローサリー・アウトレットはフランチャイズ形式でお店を着実に増やしてきている。今後もお店はどんどん増えることが予想される。