今でこそLGBTQに対する理解が深まりつつあるが、それでも自分のマイノリティをオープンできずに苦しんでいる若者は多い。特に、学生時代は決められた空間の中で大半を過ごすことになるため、自分と同じような境遇の相手と出会える可能性は極めて低い。
自分自身がLGBTQだったとしたら、教室内で恋愛成就できる可能性は大幅に低くなってしまうだろう。好きになった相手が自分のことを好きではないかもしれない!という不安も頭をよぎってしまうのは、LGBTQに限ったことではなく、ストレートも一緒だ。
LGBTに関係する動画や記事などを制作しているクリエイティブ集団の「やる気あり美」が、世界人権デーの12月10日に合わせ、恋する10代LGBTの何とも言えない切なさをリアルに描いたアニメーション動画を公開した。
■動画のあらすじ
動画は2016年3月にyoutubeで公開されたが、同級生に恋心を持っているゲイの10代男子学生の心情をリアルに描いている動画だ。
これまで何も感じなかった男子クラスメートに対して、どんどん恋愛感情が湧きたち、本当に好きな相手ができる。そして、意中の相手との関係の発展を描く。これまでに100万回近く再生されている。
■リアリティのある内容の背景
この動画の特徴は、多くのLGBTQから共感されていることだ。胸に迫ってくる内容となっているが、実体験が元になっており、LGBTQとして生きてきた人なら一度は経験するような内容だ。
また、LGBTQを支援する取り組みがどんどん活発になっており、当事者ではなくても近い共感を得ることができる。
■動画が発信するメッセージ
この動画はLGBTQのリアルを伝えることで、グローバルに共感できることや対話が生まれる瞬間が作られることを願っている。世の中良くなりつつあるが、多くのLGBTQはレインボープライドに参加できない現状がある。
もちろん今の生活に満足している人もいるが、まだまだ自分のマイノリティを隠して生きている人が多い。この動画を見れば、そんな現状を知るためやLGBTQが何を求めているのかが知れるだろう。