LGBTQ

災害時対応指針におけるLGBTへの配慮!盛り込まれている自治体は全体の23%

毎日新聞が全国の121自治体に対し、災害時の対応を定めた地域防災計画、避難所運営マニュアルにLGBTへの配慮が含まれているかどうかを調査した。その結果、LGBTに対する配慮は全体の23%にとどまるという結果になった。

■LGBTに対する配慮をしている自治体の動き

性的マイノリティの被災生活を巡っては、周囲に不審に思われてしまうなどの理由から、トイレの使用ができない更衣室の利用ができないなどの問題がある。地域防災計画にLGBTへの配慮の必要性を盛り込んでいた自治体は、東京・大阪・熊本・札幌・福岡などがあるが、東京23区のうち世田谷など6区の28自治体で全体の23%に留まっている。

内容としては、

・誰でも使える男女共用のトイレ
・誰でも使える更衣室の設置
・下着などの物質の配布についての配慮

などがある。

■LGBTに対する配慮をしてない自治体

性的マイノリティの被災生活を巡り、まったくLGBTに配慮してないと答えた自治体も少なくない。中には、盛り込む必要性は理解しているが、内閣府のガイドラインに明確な記載がなく、検討ができてないと答えた自治体もあった。

防災時にLGBTの支援まで十分に考えられる余裕はないとしているところもあり、自治体によって災害支援には大きな隔たりがあると考えられる。

■被災した熊本の対策について

被災した経験のある自治体とそうでない自治体の間における温度差が大きいのも特徴だ。大きな地震や気象災害に度々見舞われてきた熊本では、

・相談窓口の設置
・性別に関係なく使えるスペース
・男女共用のユニバーサルトイレの設置
・お風呂、シャワーの個別利用ができる時間帯を設定
・男女別の救援物質を人目に触れず届ける

などの事例を盛り込んでいる。

災害時の安否情報に関しては、災害対策基本法の規則によって「同居の親族」、「同居以外の親族か職場の関係者」、「知人、その他」という区分を用意して自治体が提供するように定めている。

災害時のLGBT支援は、実際に大きな災害が起こらないと話しが前に向いて進みにくい部分もある。熊本などの取り組みを習い、災害時のLGBT支援が進むことを願うばかりだ。