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世界一周インターンの目的!ダイキンの狙い

空調大手のダイキン工業が世界一周インターンシップの報告会を開催した。インターンは2019年の8月中旬に3週間かけて行われたが、米国や中国、ベルギーなどダイキンの拠点を回って、会社から出された提案や課題に応えていくのが目的である。

今回対象となったのは、東京大学の学生だ。240人という応募者がおり、その中で選ばれたのは筆記試験や面接に合格した10人だ。選りすぐりの東大生が集まって行なわれたわけだが、会社が求めたのは新製品やサービスの提案だった。

空調機器は部屋の上部に設置することから、視野が広がるメリットがある。空調とカメラを融合させた見守り空調機能を提案した学生もいたが、この仕組みを利用すれば、近年増えているお年寄りの孤独死を防ぐことにもつながるだろう。

学生たちの活発な議論によって、新しいアイデアが次々に生まれた。しかし、当のダイキンは東大生を囲い込むのが目的ではない。また、海外に人を送るのは莫大な費用もかかるが、ダイキンがインターンを始めたのはなぜだろうか?

データ出典:東京大学グローバル・インターンシップ・プログラム

ダイキンブランドの向上と優秀な人材とのパイプ作り

ダイキンの目的の1つは、ダイキンブランドの向上である。東大は誰もが知る日本トップクラスの大学だ。しかし、ダイキン自体は本社が大阪にあるため、東京との関わりが少ない。

事業のメインは空調事業だが、総合家電メーカーに比べると学生の認知度は高くない。しかし、今回インターンシップの申し込み者が200人を超えていたことからも分かるように、インターンシップの事業に興味を持つ者は多い。

多くの人の目に触れただけでも、ダイキンとしては知名度アップの観点からメリットがある。

もう一つはインターンシップを通して優秀な人材とのパイプを作ることだ。優秀であれば、どの業界にいっても活躍する可能性は高くなり、将来ビジネスパートナーになるかもしれない。

未来の有能者に対して投資をしているとも言えるだろう。非常に好評だった今回のインターン。ダイキンにとって良いスタートだ。