2019年9月、ニューヨークの国連本部において気候行動サミットが行われた。加盟している各国が温室ガスの排出削減の目標を掲げた。
世界気象機関が22日に公表した報告書においても、2019年までの5年間の平均気温は観測史上もっとも高く、これからも引き続き地球温暖化は進むとされている。温室ガスの排出はどんどん増えており、温暖化対策が急務になっている。
そんな中、地球温暖化対策として注目されているのが海藻だ。
海藻が持つ温暖化防止効果とは?
アマモやコンブ、ワカメなどの海藻類は、ブルーカーボンと呼ばれている。以前からブルーカーボン事業に力を入れている横浜では、14年から設けている市独自のカーボンオフセット制である横浜ブルーカーボン制度で、金沢区のアマモによる二酸化炭素約12トンをブルーカーボンとしてクレジット認証したと発表した。
宮城県でもブルーカーボン普及のための講習会を開くなど、積極的に海藻を使った地球温暖化対策の取り組みを行うようになった。海藻の養殖技術を向上させることによって、安定生産に加えて、地球温暖化を防止するメリットがあると説明している。
ブルーカーボンの課題
海藻を使った地球温暖化対策の課題の1つは、定量評価の基準が明確にできない点である。効果があることは分かっていても、それがどれくらいの効果を発揮するのか測ることができない。
具体的な測定方法が明確になっておらず、吸収量が明らかにできないため、PR効果も小さくなってしまう。
また、知名度の低さも問題の1つになっている。ブルーカーボン事業に取り組むためには、消費者や有権者の理解を進める必要がある。
とはいえ、海洋大国の日本において地球温暖化対策として海藻利用が広がれば、日本が果たせる役割も大きくなるだろう。
閣議決定されたパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略においても、CO2吸収源としての可能性を追求すると言及している。日本の海藻が異常気候を救う日がくるかもしれない。