『おっさんずラブ』がヒットしたことからも分かるように、今の日本は昔に比べて同性愛に寛容な社会になりつつある。しかし、同性愛がテーマのドラマや映画は作りものに感じてしまい、どこか現実的ではない部分もある。
ドラマや映画を見て同性愛者に対する偏見を無くそうと思っても、自分の身近に同性愛者が現れたら同じように思えるだろうか。セクシュアリティに対し、人々がどのように考えているのか気になるところだ。科学的データで見ていくと、同性愛を嫌う人たちと自らの同性愛傾向に苦しむ人たちの複雑に入り混じった感情が見え隠れする。
同性愛行為が罰せられる国
同性愛を古くから違法行為としてきた国は多い。たとえば、サウジアラビアやパキスタン、アフリカ諸国を含めた国では犯罪行為として知られている。同性同士の関係は自然に反する行為とし、法の下で犯罪者として同じ扱いをされる。
犯罪のレベルは軽いものではなく、動物と性行為をしたときと同じ量刑になるのも特徴だ。つまり、同性愛者とのセックスは死刑に値する。世界的にLGBTQに対する偏見を無くそうという声があるが、同性愛を嫌う人、同性愛傾向に苦しむ人の心の闇が解放されるわけではない。
すべてのカミングアウトが美しいわけではない
カミングアウトすることで気持ちが晴れやかになることもあるだろう。しかし、すべてのカミングアウトが美しいわけではない。主流からは外れた性的指向や性同一性を人前で明かした経験がある人なら、感じたこともあるだろう。隠そうともしない周囲の反感の声を。
同性愛者を嫌う人にカミングアウトしたことで、相手が離れて行くケースも少なくない。頑張って告白することで必ずしも報われるわけではないのだ。
自分の気持ちを前面に出すことは大切だが、何かを失うリスクもゼロではない。言葉では同情を装っても心の中では軽蔑している人もいる。同性愛を嫌う人と同性愛傾向に苦しむ人の中には温度差が顕著に表れるケースも少なくないのだ。