Photoshopは、パソコンで動画・画像編集を行ったことがある人ならご存知だろう。Adobeの画像編集ソフトだが、Photoshopに「編集範囲の選択」が実装されることになった。Adobe はAIベースになった新しい選択ツールのプレビュー動画を公開している。
新たな自動選択ツールは、被写体をAIで判別して複数の物体がある中から指定した物体を取り囲むことだけで選択できる。たとえば、しわの多いシャツを選択しようとする場合、以前の選択ツールだと、細かい調整を繰り返す必要があった。
しかし、新しく実装されるツールを利用すれば、1回のクリックだけで済むわけだ。集合写真から隣り合っている2人を切り出す場合、被っている帽子を選択したいときも、その範囲にマーカーをドラッグして範囲を指定すれば、取り出したい物体だけを切り出すことも可能だ。
■AIを使った被写体選択はもともと実装されていた
AIを使った被写体選択と聞くと、最新鋭なイメージを持つ人も多いだろう。しかし、AIを使った機能は2018年に実装されており、被写体を選択することはできた。今回は、この機能を一歩前進させた感じになっている。
被写体によっては厳密な範囲選択が必要になるため、場合によってはこれまでと同じように選択ツールを多用しなければならない。それでも、新しい自動選択ツールによって作業は大幅に効率化されることが予想される。
■Adobeならではの機能
PhotoshopにAIが実装できるのは、Adobeならではと言える部分も大きい。AdobeはAIに力を入れており、AdobeのプラットフォームSenseiによる機械学習で物体の形状を覚え、画像中に何が写っているのか認識することによって人物1人だけでなく、複数人やペットを連れた人、動物なども1クリックで正確に選択できる。
機械学習による被写体の認識は、スマートフォンカメラでも重要視されるようになってきた機能だ。撮影時に対象や環境を認識して最適な設定を行い、背景だけをぼかすことによって一眼レフのようなボケ味効果を与える。新しい機能に期待感が高まる。