LGBTQ

世界27番目!南米エクアドルで同性婚が認可

2019年6月12日、南米エクアドルの憲法裁判所は同性婚を認める判決を下した。これで、エクアドルは世界27番目に同性婚が認められた国になった。

データ出典:NPO法人 EMA日本

南米エクアドルでは、そもそも2008年に同性カップルを婚姻関係と同等に認める「シビルユニオン」を認めていた。しかし、相続税や財産分与が法律で認められる婚姻と比較して少ないため、LGBT権利団体が平等を求めて闘ってきた歴史がある。

RODRIGO BUENDIA VIA GETTY IMAGES

裁判では4人vs5人の僅差だった

6月12日の裁判では、9人の判事のうち、5人が同性婚に賛成し残りの4人が反対した。ギリギリの結果だったことが分かる。4人の判事が同性婚に反対したのは、同性婚を実現するためにも、国会で憲法改正の改正を行う必要があるというのが理由だ。

同性婚を認めた残りの5人の判事は、すべての人は平等であり、同性カップルが結婚できない現在の法律が差別的と判断した。同性カップルにも、法律で認められる結婚と同じ権利が付与されるべきというスタンスを取ったのだ。

驚くべきは、人口1662万人の国で国民の大多数がカトリック教徒の国であることだ。同性愛に前向きではない宗教性の中、LGBTの権利が認められたのは画期的である。

法の施行プロセスは明確化されていない

憲法裁判所で判決が出たが、法の施行プロセスが明確に決まっているわけではない。しかしながら、このまま話が進めばエクアドルはラテンアメリカで6番目に同性婚を実現させた国となる。

7月には実際に同性婚を実現したカップルが現れ、宗教儀式によらない民事結婚式を挙げている。その一方で、合憲と認めた判断を下した判事らの解任を求める保守派のデモも続いており、幸先スタートは言えない状態も続いている。

また、エクアドルでは同性カップルが養子を迎えることを引き続き法律で禁止している。とはいえ、世界で27番目に同性婚が認められたという事実に変わりはない。保守派が多い南米エリアにおいて、エクアドルの同性婚認可は他の国に刺激を与えることは間違いないだろう。