LGBTQ

ロンドンの同性愛カップルが深夜バスで襲撃される!それでも行動を変えない強い意志

2019年の夏頃、ロンドンを走るバスで同性愛の女性カップルが少年たちに襲われる事件が発生した。命に別状はなかったものの、顔面から出血するケガをした。

事件発生時、二人は同性愛カップルだと分かる雰囲気で、それを見た数人の男たちが2人に対してキスをするように要求した。2人がキスを断ったところ、襲撃されて所持品を奪われてしまった。

その後は警察が動き、加害者4人の少年を窃盗や傷害の容疑で逮捕した。

同性愛憎悪だけでなく女性差別も要因

現在のイギリス社会では、LGBTQが差別解消を訴えたことや、法の整備によって同性婚も許されている。一般社会でも受け入れられており、LGBTQの象徴のレインボーカラーのバナーを掲げている公共施設、オフィス、工事現場などもたくさんある。

上記の点からロンドンはLGBTフレンドリーの都市と言えるが、同性愛に対して根強い憎悪が残る部分もある。

イギリスのある学校では、LGBTQの授業を取り入れたところ、LGBTQを認めない一部の保護者が学校前で抗議デモを行ったことが話題になった。

ロンドン警察の統計では、ロンドンで認知された同性愛憎悪の犯罪が2014年には1488件だったのが2018年には2308件に増えている。

また、今回の事件は女性同士のカップルだったというのもターゲットになった理由として大きい。ロンドンには女性差別の風習が残る場所もあり、同性愛カップルへの憎悪に女性差別も加わった。

前を向く被害者

傷害事件の被害者になった女性2人は、事件があった後も前を向くことをやめない。自分たちの事件をきっかけに、多くの人々が権利と基本的な安全が脅かされていること、そして同性愛憎悪に対して多くの人が立ち向かえる勇気を持ってほしいと訴えている。

LGBTに対する取り組みは国によって異なるが、大きく前進するときには、今回のようにLGBTに関連する事件がきっかけになることが多い。トラブルや事件が起こってからではないと改善されない悲しさや辛さもあるが、そうならないよう1人1人が相手を尊重し思いやりを持てる世の中になることを願う。