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ゲイ・LGBT・BL・同性愛がテーマの映画105選まとめ

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ムーンライト(2016年・アメリカ)

ムーンライトは2016年にアメリカで公開された映画で、さまざまな映画祭や映画賞で高評価を得ている作品です。マイアミの貧困地域で麻薬を常習している母親と暮らす少年シャロンの話になっています。

作品賞に相応しいクオリティーで、ストリートの現実から同性愛の葛藤というテーマに話がシフトしていくのも見どころです。ストリートで生きる幸薄い少年の成長という部分は分かりすく、どんどん迎える新しい局面がアップテンポに仕立てます。

少し甘酸っぱいセンチメンタルなラブストーリーで、いじめ・薬物・差別・ゲイなど普段あまり関わりがない人でも思わず感情移入する内容になっています。

怒り(2016年・日本)

怒りは、2016年に日本で公開された千葉・東京・沖縄を舞台に3つのストーリーが展開される群像劇となっています。東宝のメジャー作品の1つで、全国228館という邦画災害規模で公開されました。

ゲイに関する映画はこれまでにもありましたが、ゲイのキャラクターが社会的に認められていないことやカミングアウトできないことなどがベースになっていました。しかし、怒りはすでにゲイであることへの悩みを乗り越えた時点から物語が始まっています。

ゲイを社会の片隅ではなく、自分たちの物語といて描くことに成功しています。怒りが与えた社会的影響は大きくLGBTをテーマにした映画の一歩先を進んでいるような作品です。

君の名前で僕を読んで(2017年・イタリア・フランス・ブラジル・アメリカ合作)

君の名前で僕を読んでは、2017年に公開されたイタリア・フランス・ブラジル・アメリカ合作の恋愛ドラマ映画です。アンドレ・アシマンが2007年に上梓した小説を原作にしています。

1983年の北イタリアが舞台になっていて、大学教授の父親の助手として招待された24歳の大学院生に思いを寄せる17歳の少年との一夏の恋愛を描いています。美しいイタリアの村で家族と過ごす少年の甘く苦い作品です。

また、君の名前で僕を読んでの前年に公開されたLGBT映画のムーンライトと対比されることも多く、ムーンライトがダークな内容であるのに対し、本作はライトな内容となっています。

劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD(2019年・日本)

劇場版おっさんずラブ LOVE or DEADは、2019年に日本で公開されたヒューマンドラマです。2018年に流行語大賞にノミネートされるなど社会現象を巻き起こしたBLドラマ「おっさんずラブ」を映画化したものです。

本作はドラマ最終話のアフターストーリーが描かれており、ドラマでお馴染みのレギュラー陣が続投して監督を務めたのはドラマで演出を手掛けた瑠東東一郎氏になります。

俳優陣の演技が素晴らしく、ドラマ版とは違った雰囲気が楽しめます。ドラマを知っておいた方がストーリーは頭に入ってきやすいので、おっさんずラブを見たことがない人は先にドラマを見てから映画を見るのがおすすめです。

ボヘミアンラプソディ(2018年・アメリカ)

ボヘミアン・ラプソディは2018年に公開された大人気映画で、伝説のチャンピオンやウィ・ウィル・ロック・ユーなどの名曲で知られるフレディ・マーキュリーの伝記ドラマです。華々しい軌跡の裏側にスポットを当てており、全世界で話題になった映画です。

物語の舞台は1970年代のロンドンで、ルックスや複雑な生い立ちに劣等感を持つフレディ・マーキュリーが一気にスターになるまでの流れが詳細に描かれています。

ゲイがテーマになっている映画ではありませんが、主人公のフレディ・マーキュリーがゲイであったことからゲイ映画関連のランキングでも上位を記録しています。何度見てもまた見返したくなるような不思議な映画です。

サタデーナイト・チャーチ 夢を歌う場所(2019年・アメリカ)

サタデーナイト・チャーチ 夢を歌う場所は、2019年に公開されたアメリカの映画です。LGBTの人々のための支援プログラムとして行われるサタデーナイト・チャーチを題材に学校でのいじめや家族の無理解などの厳しい現実に悩む人の出来事を描いています。

ゲイ・ムーブメントが必然的に流行を生むことにも触れており、作中に出てくる6つのミュージカル・シーケンスはユリシーズの現実回避の手段として描かれています。ミュージカル仕立てになっているので映画自体もかなり親しみやすくなっています。

一切の無駄がなく、アップテンポに話が進んでいくのでLGBT系の映画の中ではかなり見やすいです。

ダンサー そして私たちは踊った(2020年・スウェーデン)

ダンサー そして私たちは踊ったは、スウェーデンで公開されたヒューマンドラマです。ジョージアの国立舞踏団が舞台となっており、若きダンサーたちが織りなすドラマとなっています。第92回アカデミー賞国際長編映画に選出されています。

とても緊張感がある物語となっていて、最後までドキドキする内容です。主役の青年は写真で見るよりも男性らしく、彼と愛し合っている彼は写真よりも若々しいです。ダンサーならではの鍛えられた体躯や素晴らしいダンスも見どころとなっています。

ゲイではなくホモとした字幕も閉鎖的な社会を描く本編において適切と言えます。再会した主人公たちの気持ちの変化も見どころの一つです。

性の劇薬(2020年・日本)

性の劇薬は水田ゆき氏のBL漫画を実写化した映画で2020年に日本で公開されました。人生につまずいて自暴自棄になったエリート会社員の桂木は酔って飛び降り自殺をしようとしますが、そこに余田という男が現れて自分に命をよこせと迫ります。

桂木の命は救われましたが、その後に監禁・調教される生活がスタートします。ただ単にBLシーンを見るだけでなく、切ないシーンや考えさせられるシーンもたくさんあって見どころ満載です。

原作と映画では若干異なっている部分もありますが、原作ファンからも高い評価を得ている作品です。主役の熱演も光るものがあり、思わず感情移入してしまいます。映画には映画の良さがあると実感する作品です。

his(2020年・日本)

Hisは2020年に日本で公開された映画で、愛がなんだの今泉力哉が監督を務め、同性カップルが周囲の理解を得るために奔走する姿を描いたヒューマンドラマです。LGBTQが直面している社会の偏見や法的な問題が取り込まれていて、ドラマ偽装不倫の宮沢氷魚やアイネクライネナハトムジークの藤原季節などが主演しています。

最初のうちは主人公2人の性格や関係にいら立ちを感じる部分もありますが、少しずつ2人を応援する気持ちに変わっていきます。社会問題も真正面からぶつけられていて、よくできた映画と言えます。

LGBTについて真面目に考えさせられる場面も多く、LGBTQはもちろんそれ以外の人でも楽しめます。俳優陣の演技も素晴らしく、思わず涙があふれ出しそうになります。

ソン・ランの響き(2020年・ベトナム)

ソン・ランの響きは2020年にベトナムで公開されたヒューマンドラマです。1980年代のサイゴンが舞台となっている本作は、孤独な2人の男性が惹かれ合っていく3日間の刹那な物語をベトナムの民族楽器ソン・ランの音色に合わせて描いたドラマです。

最初のうちは反発し合っていた2人ですが、リン・フンがユンの家に泊まることになって心を通じ合わせていきます。対照的な性格の2人ですが、孤独を埋め合うように結ばれていきます。

2人の醸し出す雰囲気が素晴らしく、観終わっても心に余韻を残します。心に足跡を残してくれるような映画で、2回目見ると違った視点で楽しめて面白いです。

トム・オブ・フィンランド(2017年・フィンランド)

トム・オブ・フィンランドは、2017年にフィンランドで公開された伝記ドラマです。フィンランドに暮らす主人公の描いた絵が世界で認められる過程が描かれており、監督をトールキン旅のはじまりのドメ・カルコスキが務めています。

個展のために渡ったアメリカでのキラキラした日々や大切な人を失う悲しさ、同性愛排除など見るポイントが多い作品です。共通して言えるのは、ストレートでもゲイでもみんな愛を求めているというのが伝わる作品です。

ロケットマン(2019年・フランス)

ロケットマンは2019年にフランスで公開された伝記ドラマで、主演を務めているのはキングスマンシリーズで知られるタロン・エジャトンです。ミュージカル調になっていて、演出が絵画的でとても美しいです。

LGBT、薬物アルコール、幼少期からの家族との確執など抱える問題が多く、スムーズに感情移入ができて映画に入り込める内容となっています。貧欲な好奇心と二つの感性が豊かな才能を生み出すことが分かります。

永遠に僕のもの(2018年・スペイン・アルゼンチン合作)

永遠に僕のものは2018年にスペイン・アルゼンチンで合作されたクライム映画で、美しい容姿からブラック・エンジェルや死の天使と呼ばれたアルゼンチンの犯罪史に残る連続殺人犯がモデルの作品です。

11人を殺害した情けのかけようがない殺人鬼でありながらも、女性のような顔立ちをした主人公の存在が異彩を放っています。きれいな顔をしてやることが無慈悲な見た目と心のギャップがインパクトを与えており、シリアルキラーな内容となっています。

花は咲くか(2017年・日本)

花は咲くかは2017年に公開された日本のBLコミックを映画化したもので、広告代理店に務めている男性と美大に通う大学生が戸惑いつつも惹かれ合っていく様子を追っていくストーリです。

監督を務めたのは「あかり」の谷本佳織氏で、年上の男性に思いを寄せる大学生を演じたのは動物戦隊ジュウオウジャーで人気を集めた渡邊剣氏です。人気俳優ですが、俳優生活で初めてキスシーンを披露している作品でもあります。

LGBTの恋愛は現実だと偏見の対象になる場合も多いですが、この作品を見ると人が人を好きになる瞬間は誰であっても素敵だと感じます。性の多様性の素晴らしさも実感できる作品となっています。

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年・アメリカ)

この映画は2014年にアメリカで公開された歴史ドラマで、アンドリュー・ホッジスによる伝記をもとにグレアム・ムーアが脚本を執筆しました。物語の舞台は第二次世界大戦中のアメリカで、天才数学者と称されるチューリングが中心となっています。

傲慢で不器用な主人公は他のメンバーとの協力を拒否して、チーム内でもどんどん孤立している中で彼の理解者が現れます。

この作品はシンプルに言うと、恋も功績も知識も失ってしまった戦争の裏の英雄の実話です。作品中には彼のさまざまな苦悩が出てきますが、今の自分たちには非現実的なことばかりで、とても考えさせられる映画です。

Love, サイモン 17歳の告白(2018年・アメリカ)

Love, サイモン 17歳の告白は、2018年に公開された青春ドラマです。キングス・オブ・サマーで一躍有名になったニック・ロビンソンが主演しています。

ゲイであることを隠している高校生が悩みながらも成長していく物語で、原作はベッキー・アルバータリのサイモンVS人間平等化計画で監督を務めたのは「かぞくはじめました」のクレッグ・バーランディです。

高校生のサイモンはゲイであることをカミングアウトするかどうか迷っていましたが、同じ学校の匿名のゲイの正体を突き止めることの推理劇や恋の行方などが見どころとなっています。主演のニック・ロビンソンがLGBTを繊細に演じており感情移入してしまうシーンも多くあります。

ゴッズ・オウン・カントリー(2017年・イギリス)

ゴッズ・オウン・カントリーは、2017年にイギリスで公開された映画でヨークシャーが舞台となっています。ベルリン国際映画祭や世界各地の映画祭で高い評価を得てラブストーリーで日本でも話題になりました。

孤独な労働の日々をお酒といきずりの性行為で紛らわす主人公のもとに、ルーマニア移民の季節労働者ゲオルデが羊の出産シーズンを手伝いにやってきます。最初のうちは衝突したばっかりの2人でしたが、次第に恋心を抱き始めます。

全体的にゲイ映画という雰囲気が全面に出ていますが、どのようにお互いがゲイに気付くのかなど想像が膨らむ内容になっています。ゲイカップルの淡い恋心も上手に表現されています。

彼の見つめる先に(2014年・ブラジル)

彼の見つめる先には、2014年にブラジルで公開された長編の青春ドラマです。主演を務めているのは、舞台やテレビシリーズなどに出演してきたジュレルメ・ロボやファビオ・アウディなどです。

物語は目の不自由な高校生レオを主体に進んでいき、過保護気味の両親ややさしい祖母、長馴染みなどに愛されていた主人公がクラスに転向してきたガブリエルと出会ってから話が展開していきます。

最初は女性と男性の恋愛を描くような雰囲気も見受けられますが、男性同士の愛を描いています。青春特有の反抗期や難しさ、もどかしさなどが表現されており、意外な展開に引き込まれます。青春ドラマということもあってフレッシュさがあります。

BPM ビート・パー・ミニット(2017年・フランス)

BPM ビート・パー・ミニットは、2017年にフランスで公開されたヒューマンドラマです。「パリ20区、僕たちのクラス」で脚本や編集を手掛けたロバン・カンピヨ監督の体験が元になっています。

物語の舞台は1990年代初頭のフランスで、新薬の研究成果を隠す製薬会社を襲撃したり、ゲイのパレードに参加したりもする「Act Up-Paris」という団体に命を懸けている主人公や仲間の人間関係を描いています。

ドラマでありながらドキュメンタリーのようにも感じられ、生き生きと活動してきたショーンがやせ細っている姿にも胸を打たれます。一方、当時のフランスにおけるエイズ流行や同性愛者などについては生々しく描かれています。

ハートストーン(2016年・アイスランド・デンマーク合作)

ハートストーンは、2016年にアイスランド・デンマークで合作されたラブストーリーです。長編初監督作となるグズムンドゥル・アルナル・グズムンドソンが、自分自身の少年時代の思い出をベースに作っている作品となっています。

東アイスランドの漁村に暮らすソールとクリスティアンの幼馴染の親友を軸に物語が進んでいきます。少年少女たちの生き様を美しく淡々と描いており、豊かな情景描写となっています。

物語の舞台となっているアイスランドは自然がとても美しく、物語の内容も相まって美しい映画の1つと言えます。また、ラストシーンに込められている監督のメッセージからも目が離せません。

美女と野獣(2017・アメリカ)

美女と野獣は、ディズニーが制作した大ヒットアニメを実写化したもので、2017年にアメリカで公開されました。美しい心をもった女性ベルと野獣の恋の行方を見つめる内容で、監督を務めたのはトワイライトやドリームガールズのビル・コンドンです。

進歩的な考え方が原因で閉鎖的な村人となじめないことに悩むベルが野獣と遭遇し、野獣の恐ろしい外見に戸惑いながらも次第に心奪われていく様子を描いています。

LGBTが題材になっている映画ではありませんが、登場キャラクターがLGBTをカミングアウトするなど、これまでのディズニー映画と一線を画したことで話題になりました。多くのファンがいる人気映画の一つです。

モーリス(1987年・イギリス)

モーリスは1987年にイギリスで公開された映画です。20世紀初頭のイギリスを舞台に2人の青年が織りなす禁断の愛を描いています。1980年の同性愛を扱った映画の中では特に高く評価されている作品の1つです。

同性愛が犯罪とされていた時代の中で、主人公のモーリスとクライブがお互いに恋愛感情を抱くようになりますが、クライブは肉体関係を拒否したまま学生時代を終えます。

社会に出て大人になってからも付かず離れずの友情は続きますが、やがてお互いを傷つける関係に代わっていきます。日本でも1988年に公開されて地上波でも放送されるなど注目度が高い映画でした。

マイ・プライベート・アイダホ(1991年・アメリカ)

マイ・プライベート・アイダホは、1991年にアメリカで公開された青春ロードムービーです。ストリートで男娼として生きる青年マイクと仲間のスコットとともに行方不明の母親を探すためにアイダホに向かいます。

リヴァー・フェニックスとキアヌ・リーヴスが主演を務めており、監督はエレファントやミルクを手掛けガス・ヴァン・サントです。映像が美しく、死ぬまでに見たい映画1001本に掲載されているのも特徴です。

ゲイを全面に出している感じではないものの、ゲイや腐女子人気が高い作品となっています。映像が美しくストーリーも分かりやすく、ケルアックの精神を宿したロードムービーとなっています。

アナザー・カントリー(1984年・イギリス)


アナザー・カントリーは、1984年にイギリスで公開された青春ドラマです。物語の舞台となっているのは1930年代のイギリスのエリート校で、同性愛や共産主義などにはまっていく学生を描いています。

パブリックスクール、イートン校の学生であるガイは別の寮のハーコートに心を奪われて、親友で共産主義のジャドはガイに忠告するもガイはハーコートしか見えなくなっていきます。そんな中、自治会のファウラーに手紙を奪われて物語が展開していきます。

主演のルパート・エヴェレットとケイリーが互いに惹かれ合う同性カップルを演じていて、2人が寄り添うシーンはとても美しくて見ごたえがあります。また、若者たちの直面する苦悩や挫折も描かれています。

恋人たち(2015・日本)

恋人たちは2015年に公開された日本のドラマ映画で、樋口亮輔氏が監督・脚本を務めています。それぞれに異なる事情を持つ3人の男女の物語をつづっており、妻を通り魔に殺害された夫を中心にストーリーが展開しています。

冒頭から登場人物たちの生活空間へと引き込まれ、3人が社会の理不尽を全身で被っていてのたうち回る姿が現れています。ゲイと異性愛者の純愛を無残にも遮断するような強い偏見もリアルに描かれています。

役者陣の圧倒的な演技が見どころとなっており、素晴らしい演出と完璧な演技力が融合した傑作品です。ストーリーや展開も面白く、最後まで考えさせられる作品となっています。

セブンデイズ MONDAY→THURSDAY(2015・日本)

セブンデイズは、2015年に公開されたボーイズラブコミックを実写化した映画です。監督を務めたのは「たくみくん」シリーズでお馴染みの横井健司監督で、一週間限定の恋人として付き合い始めた男子高校生2人の月曜から木曜までを映しています。

禁断の関係と知りながらも、少しずつ二人の距離が縮まっていく感じに胸が高鳴ります。恋人を演じたのは、廣瀬智紀氏と山田ジェームス武氏で、どちらもイケメン俳優ということもあり美しい映画に仕上がっています。

時系列とともに描かれる二人の関係に変化が訪れるのが楽しめて、見ている方もときめきます。アニメの実写化は失敗が多いと言われますが、この実写化はありです。

ダブルミンツ(2017・日本)

ダブルミンツは2017年に日本で公開されたBLドラマで、同級生などで知られる中村明日美子のコミックを実写化しています。監督を務めているのは下衆の愛の内田栄治で、シマウマの須賀健太やベテランの小木茂光が主演を務めています。

高校時代に主従関係にあった2人の男性が再会して犯罪と暴力が渦巻く世界に引き込まれるストーリーです。また、2人の関係も少しずつ変化して同性愛に目覚めていきます。

不気味や気味悪さなどを超える愛で、偏った愛も貫いたら純愛になるのが体現されています。過激なシーンもありますが、それぞれのシーンで作者が伝えたいことがダイレクトに入ってきます。

どうしても触れたくない(2014・日本)

どうしても触れたくないは、2014年に日本で公開されたボーイズラブコミックが原作の実写映画です。お互いに心に傷を持っている同志が違うタイプの男性が最悪の出会いをするところから始まりますが、その後は不器用に恋愛に落ちていく姿を描いています。

監督を務めているのは「フィガロの告白」の天野千尋で、イケメン俳優たちが体当たりで演じています。揺れ動いている心に魅了され、原作の世界観がしっかり体現されていると評判です。

儚げな雰囲気のまま物語が進んでいき、暖かい気持ちで見終えることができる作品です。BL作品の中でも特に人気が高く、泣けるシーンもたくさんあります。

ひだまりが聴こえる(2017・日本)

ひだまりが聴こえるは、2017年に日本で公開されたBLコミックの実写版映画です。原作は2015年に本作品でデビューした「文乃ゆき」のひだまりが聴こえるで、難聴に悩む大学生の主人公と同級生太一の友情を描いています。

さわやかさと切なさがいい具合にミックスされた作品で、BL作品であるもののBLっぽくない雰囲気もあります。原作人気によって実写化された流れですが、映像がきれいで音楽も内容にマッチしています。

俳優陣が爽やかでイケメンということもあり、美しいという言葉がぴったりの映画で、二人のお互いを思いやる気持ちに涙が止まりません。大切な人と一緒に見たい作品です。

パレードへようこそ(2014年・イギリス)

パレードへようこそは、2014年にイギリスで公開されたコメディ・ドラマです。監督を務めているのは第63回トニー賞において監督賞を受賞したマシュー・ウォーチャスです。

ブロムリー区出身でゲイということを隠しているジョー・クーパーは20歳の誕生日にプライドパレードを見に行き、パレードに参加するところから物語が始まります。炭鉱労働者のストライキの報道を見たマークが彼らを救済するために仲間と一緒に募金活動を行うためにロンドンからウェールズに向かいます。

見返りを求めずに支援を一生懸命なゲイたちの行動が大きく変えていく様子が清々しく、心の結びつきや尊さ、美しさが力強く描かれています。

リリーのすべて(2015年・イギリス)

リリーのすべては、2015年にイギリスで公開された伝記ドラマです。世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人画家リリーエルベと妻のゲルダの愛を描いた作品になっています。監督を務めたのは第83回アカデミー賞の4部門で受賞した英国王のスピーチのトム・フーバーです。

物語の舞台は1926年のデンマークで、風景画家のアイナー・ヴェイナーは同じく画家の妻ゲルダに女性モデルの代役を依頼されます。そのときに自分自身の内面の女性の存在を感じ、リリーという女性として生活します。

切ないながらも素敵で胸にジンとくる内容です。LGBTの葛藤が分かりやすく描かれていて映像にもこだわっているのが伝わってきます。

彼らが本気で編むときは、(2017年・日本)

彼らが本気で編むときは、2017年に日本で公開されたヒューマンドラマです。母親が家を出てしまい、置き去りにされてしまった11歳のトモがおじを訪ねると、おじは恋人の男性と一緒に生活しており、トランスジェンダーの恋人のリンコがトモに料理を振る舞います。

感情が不安定になりやすい年ごろですが、母以上の愛情を注いでくれるリンコに対して困惑していたものの次第に心を開いていきます。理不尽な悲しみに苦しみながらも他人への愛を忘れないリンコのひたむきな姿に感動です。

とても深くて濃い内容の映画で、1つの映画を通して楽しみや悲しみなど、さまざまな感情が沸き上がってきます。

ストーン・ウォール(2015年・アメリカ)

ストーン・ウォールは、2015年に公開されたアメリカのヒューマンドラマです。物語の舞台は1960年のニューヨークで、若者たちの愛の反乱の感動作となっています。監督を務めているのは、ローランド・エミリッヒです。

ゲイであることが発覚して誰かに追われるかのように故郷を出ていった孤独なダニー。そんな彼を受け入れたのがゲイのギャングを率いるレイで、さまざまなゲイやレズビアンと身を寄せ合って生きていきました。

当時はLGBTに対する偏見や差別がひどかった時代ですが、警察に反抗することなく大人しく報いを向けていたことに抗っていきます。内容が面白いのはもちろんですが、LGBTの歴史を垣間見ることができます。

タンジェリン(2015年・アメリカ)

タンジェリンは、2015年にアメリカで公開されたコメディードラマです。3台のiPhoneにワイド撮影ができるレンズを装着し、ロサンゼルスを舞台にトランスジェンダーの日常をユーモラスに描いています。

iPhoneで撮影したとは思えない画質で、手ブレもなく1日のことを描いているのは画期的です。クリスマスイブのLAのストリート路上で引き起こす騒動を描いており、パワフルさやマシンガントークがかなり強引で面白く作られています。

また出だしからテンポがよく、ドタバタのコメディとなっています。マイノリティの人たちの日常を描きながらも軽い感じになっていて、なおかつLGBTの知らなかった現状が知れます。

アバウト・レイ 16歳の決断(2015年・アメリカ)

アバウト・レイ 16歳の決断は、2015年にアメリカで公開されたヒューマンドラマです。監督を務めたのはゲイビー・デラル、主演はエル・ファニングが務めています。2015年に9月に開催されたトロント国際映画際でAbout Rayのタイトルで上映されました。

映画はラモーナと名付けられた16歳の少年レイと彼の母マギー、母ドリー。同性パートナーフランシスが性別移行に関する説明を受けているところからスタートします。4人は同居していますが、LGBTに対する理解は乏しい状態でした。

非常にデリケートな題材をうまくこなしており、セリフにもキレがあって見やすい作品です。LGBT本人の悩みだけでなく、周囲が抱える悩みや不安なども分かりやすい内容です。

ダイ・ビューティフル(2016年・フィリピン)

ダイ・ビューティフルは2016年にフィリピンで公開されたコメディドラマ映画です。急死したトランスジェンダーの女性トリシャの人生を描いた作品ですが、トリシャはトランスジェンダーへの偏見や差別に抗って誇り高く生きた女性でした。

トリシャは死化粧の遺言を残し、さまざまな死化粧を施して棺に横たわるトリシャのもとに関係があった人々が訪れます。監督を務めたラナ監督はフィリピンでも人気のある映画監督の1人で2012年にはフクロウがアカデミー外国映画賞に選ばれています。

現在と過去が交互に描かれており、凝ったストーリーになっていますが、理解はしやすく面白い内容です。見返してみると面白い作品です。

レディ・ガイ(2016年・アメリカ)

レディ・ガイは、2016年にアメリカで公開されたアクション映画です。性転換手術で男から女にされた殺し屋の物語で、ウォルター・ヒルが監督を務めてミシェル・ロドリゲスが主演を務めています。

凄腕の殺し屋フランク・キッチンがマフィアとの銃撃戦で負傷して、意識を失ったところから物語が始まります。目覚めたフランクはすでに女性の姿となっており、大切なものを奪われたフランクが銃や色気を武器に復讐に立ち上がります。

他のLGBT映画と違って自分の意志に反して性別が変わっているのが特徴です。少し変わった視点のLGBT映画を楽しみたい人におすすめの作品になります。アクション映画ということもあり疾走感も見どころです。

ナチュラルウーマン(2017年・チリ・アメリカ・ドイツ・スペイン合作)

ナチュラルウーマンは2017年にチリ・アメリカ・ドイツ・スペインで合作された映画で、グロリアの青春などのセバスティアン・レリオが監督と脚本を担当しているヒューマンドラマです。

最愛の恋人を亡くして、偏見や差別などに苦しみながらも前向きに誇り高く生きるトランスジェンダーの主人公は、自分自身もトランスジェンダーのダニエラ・ベガが演じています。女優としての優しさと繊細さ、そして男性としての肉体やパワーが絶妙なバランスです。

人間として自由に生きる権利や意志を表現する主人公に元気をもらい、そして現実にある偏見や差別などを知れる映画でもあります。何度も見返したくなる素晴らしい映画です。

マイ・ビューティフル・ランドレット(1985年・イギリス)

マイ・ビューティフル・ランドレットが、1985年にイギリスで公開された映画です。もともとは殺し屋たちの挽歌のスティーブン・フリアーズがチャンネル4のために制作したTV映画ですが、劇場公開されてから人気を博しました。

ロンドンが舞台となっており、叔父にコイン・ランドリーをまかされたパキスタン人青年が送る生活を通して生活を続けるパキスタン人の姿を描いています。日本では2019年にリバイバル公開されるなど国内でも人気の高いゲイ映画です。

ニューロマンティックスのエレクトロニックミュージックが流れるクラブの内装などの色彩のけばけばしい感じも時代の感じが出ていて、キャラクターの個性も上手く表現されています。

ベニスに死す(1971年・イタリア・フランス合作)

ベニスに死すは、1971年にイタリア・フランス合作で公開されたヒューマンドラマです。映画界の巨匠ルキノ・ヴィスコンティの不朽の名作映画で、静養のためにベニスを訪れた老作曲家アッシェンバッハが道中に出会った美少年タジオの美しさに魅了されていきます。

超がつくほどの美少年と少年に魅せられた老作曲家の苦悩と愛情が見どころとなっていて、公開されてから期間が空いていますが、今でも多くの人を魅了しています。アルファロメオとヴィスコンティの縁が感じられる作品です。

また、当時のイギリスが抱える社会問題を淡々と描いており、時代と共にどのように社会が変わってきたかなど、今と昔を比べるのも楽しい作品となっています。

プリシラ(1994年・オーストラリア)

プリシラは、1994年にオーストラリアで公開されたロードムービーです。3人のドラッグクィーンがバスに乗ってシドニーやオーストラリア、砂漠などでショーを開催するために旅に出る物語です。

今でこそゲイバーが多くあり、LGBTに寛容な社会に変わりつつありますが、映画の舞台となっている年代はLGBTに対する偏見や差別が強い時代でした、そんな中でも、歌やショータイムなどを自分らしく楽しんでいる主人公に元気をもらいます。

俳優陣の演技も素晴らしく、日々悩むことがたくさんあっても自分や仲間と一緒に生きていこうと思わせてくれる内容です。落ち込んでいるときや元気になりたいときにお勧めの映画です。

フィラデルフィア(1993年・アメリカ)

フィラデルフィアは、1993年に公開されたアメリカ映画です。作品の舞台がフィラデルフィアになっているのは、その名前がギリシア語で兄弟愛を意味していることに由来しています。

一流法律事務所に勤務している弁護士のペケットは自分がエイズに感染していることに気付いて、会社はペケットに解雇を言い渡しますが、これに対してペケットは訴訟を起こします。ゲイであることを理由に世間は冷たくあたりますが、以前敵だった弁護士ミラーを訪ねるところから話は展開していきます。

現在はこのような差別や偏見は少なくなっていますが、こうした出来事を経て今があることを実感できる作品です。

ボーイズ・ドント・クライ(1999年・アメリカ)

ボーイズ・ドント・クライは、1999年に公開されたアメリカ映画です。キンバリー・ピアースが監督を務めた作品で、ネブラスカ州で殺害された実在の人物がテーマになっています。

主人公のブランドンは性同一障害で、体は女性ながら本人の性自認は男性です。軽犯罪を犯したことで街を出る必要に迫られたブランドンはフォールズタウンという街でジョンとトムに出会い、ジョンの娘のラナと恋に落ちます。

LGBTに対してもっとみんなが寛容的な社会であれば、残酷な事件が起きなかったのでは?と思うような内容となっています。ストレートやヘテロセクシャルの人にこそ知って欲しい映画です。

愛と法(2018・日本)

愛と法は2018年に日本で公開されたヒューマンドラマで、監督を務めたのは長年にわたってヨーロッパを拠点に活動してきた戸田ヒカルです。大阪で法律事務所を営む弁護士カップルの奮闘を描くドキュメンタリー映画になります。

2人のもとにはLGBTの相談者や居場所を失った子供、無戸籍者など、さまざまな依頼人が訪れます。日本の制度の中で生きにくさを感じながら、自分らしく生きるために戦う人たちを描いています。

ドキュメンタリー映画として日本映画スプラッシュ映画に選出されており、香港国際映画賞では最優秀ドキュメンタリー賞を取っています。LGBTが抱えるさまざまな悩みや問題が分かりやすく表現されています。

トム・アット・ザ・ファーム(2013年・カナダ・フランス合作)

トム・アット・ザ・ファームは、2013年にカナダ・フランスで合作された映画です。日本でも注目されているカナダのグザビエ・ドランがカナダ東部ケベック州の雄大な田園地帯を背景に閉鎖的な家族や地域を舞台に物語が進んでいく心理サスペンスです。

同性の恋人ギョームを失ってしまい、悲しみの中にあるトムは葬儀に出席するために彼の故郷に訪れますが、ギョームの母親は女性の恋人がいることを信じていました。兄のフランシスから母に同性愛でないことを気付かれないように隠すよう強制されます。

LGBTに寛容な社会が広がりつつありますが、地方に目を向けると差別や偏見の目が強いことが分かります。主人公の葛藤や行動、気持ちの変化などが見どころです。

さよなら、ぼくのモンスター(2015年・カナダ)

さよなら、ぼくのモンスターは2015年にカナダで公開された映画です。メイクアップアーティストを目指す高校生のオスカーは、怒りっぽいものの愛情深い父親と暮らしていたところから始まります。

その後、バイト先で知り合ったワイルダーという男性と少しずつ恋に落ちていきます。ハムスターがしゃべるなどファンタジー要素も多少ありますが、心理描写が鋭くサイケデリックな一面も持ちあわせています。

最後まで目が離せない内容となっていて、共感できる部分も多くあります。LGBTというテーマだけに留めておくのはもったいない作品で、生々しい描写が上手く人の心を表現しています。

追憶と、踊りながら(2014年・イギリス)

追憶と踊りながらは、2014年にイギリスで公開されたヒューマンドラマです。ロンドンで暮らす初老の中国人女性とゲイのイギリス人青年の交流を描いています。ホン・カウが監督を務めており、マイノリティであることを軽やかに生きているベン・ウィンショーが出演しています。

リチャードとカイのラブシーンは短いながらも、窮屈な愛が締め付けられます。ただのメロドラマではなく、言葉や世代の違いがあっても気持ちは通じるということが伝わってくる映画です。

言葉では表せない繊細な感情やコミュニケーションの新しい形を見せてくれます。LGBT乗り方について考えさせられる内容です。

チョコレートドーナツ(2012年・アメリカ)

チョコレートドーナツは、2012年にアメリカで公開されたヒューマンドラマです。1970年代のアメリカの実話がベースになっており、母親に見捨てられたダウン症の少年と暮らすために司法や偏見と闘うゲイカップルの姿を描いています。

ゲイであるがゆえの苦悩をテレビドラマ「グッド・ワイフ」シリーズに出ているアラン・カミングアウトや「LOOPER/ルーパー」のギャレット・ディラハントなどが熱演しています。また、メガホンを取っているのは17歳のカルテのトラヴィス・ファインです。

LGBTに対する理解が深まりつつある現在ですが、昔と現在のLGBTに対する周囲の目や差別などの違いも鮮明に出ています。悲しいシーンもありますが、深い愛を感じさせられる作品となっています。

わたしはロランス(2012年・カナダ・フランス合作)

わたしはロランスは、2012年にカナダ・フランスで合作されたヒューマンドラマです。
グザヴィエ・ドランが監督を務めており、当時23歳という若さで本作を発表し、カンヌ国際映画祭の視点部門に出品されたことで当時話題になりました。

カナダのモントリオールで国語の教師をしている男性のロランスと恋人の10年以上に及ぶ物語が描かれています。恋人のフレッドはロランスの告白に戸惑いながらも、周囲の反対を乗り越えて2人の人生を歩もうとします。

ストーリが素晴らしいのはもちろん、音楽センスも素晴らしく見せ方も熟練されています。また主人公の感情も心に伝わり感情移入しやすい作品となっています。

ロッキー・ホラー・ショー(1975年・イギリス)

ロッキー・ホラー・ショーは、リチャード・オブライエンが作詞作曲したミュージカルで1975年にイギリスで公開されました。現在になってもアンコール上映される人気作品です。

フランケンシュタインのような人造人間で完璧な肉体を持った金髪で日焼けしたロッキーホラーによるホラー映画の雰囲気もありますが、全編を通してミュージカル構成になっているのでコメディ寄りの作品です。

ロック、ホラー、ホモセクシュアルにSFなど、さまざまな要素が複合的に絡みあっています。音楽も演出もどれも素晴らしく、素晴らしい世界観の映画です。愛らしいカルトムービーで何度も見たくなる作品の1つです。

オール・アバウト・マイ・マザー(1999年・スペイン)

オール・アバウト・マイ・マザーは1999年にスペインで公開されたスペイン映画で、1999年のアカデミー外国語映画賞を受賞しています。最愛の息子を事故で失ってしまった母親の死を乗り越える魂の軌跡を描いています。

ずっと隠してきた夫の秘密を話そうと決めた矢先に息子を失ってしまうという衝撃的な展開ですが、息子が残した父に対する思いを伝えるために青春を過ごしたバルセロナに旅立ちます。

公開されてから年数が経っていますが、今でも根強い人気のLGBT映画です。ストーリーや登場人物は複雑であるものの、すっきりと分かりやすく頭に入ってきます。ペドロ・アルモドバルの最高傑作と言われる作品です。

人生はビギナーズ(2010年・アメリカ)

人生はビギナーズは、2010年にアメリカで公開されたヒューマンドラマです。監督を務めているのは「サムサッカー」のマイク・ミルズで、監督自身の父との体験をベースに脚本を書いて映画化されています。

息子のオリヴァーにゲイであることをカミングアウトしたハルは妻に先立たれてしまい、自分自身もガンを患ってしまいます。しかし、75歳にして第二の人生を歩もうとしており、内気な性格から恋ができない息子とは対照的な性格でしたが、父を亡くしたことで運命の人と出会います。

心理描写が面白く、映像や音楽も素晴らしいです。伏線もちりばめられており、2回目見ると違った景色に感じます。

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年・アメリカ)

ダラス・バイヤーズクラブは2013年にアメリカで公開されたヒューマンドラマです。1980年代に無認可だったHIV代替治療薬を密輸販売し、アメリカのHIV患者が特効薬を手にするための奔走したカウボーイを映画化しています。

主人公は電気工でロデオカウボーイのロン・ウッドルーフで、HIV陽性と診断されて30日の余命宣告を受けます。アメリカに認可治療が少ないことを知り、代替薬を見つけるためにメキシコに向かって密輸を試みますが、そこで出会った性同一障害でエイズのレイヨンとともに薬を販売する会社を設立します。

映画の内容が素晴らしいのはもちろん、主役のマシューの減量もすごいと話題になり、役への情熱を感じさせられる作品となっています。

EDEN(2012年・日本)

EDENは、2012年に日本で公開された日本映画です。監督を務めたのは武正晴監督の日本映画で原作は船戸与一の短編小説夏の渦で、2011年7月に亡くなった俳優の原田芳雄が映画化のアイデアを温めてきた作品でもあります。

新宿二丁目にあるショーパブが舞台になっており、ゲイやニューハーフたちの人間模様を温かな視線で描いています。ゲイの表現については誇張されている部分があるものの、内容はしっかりしていて見どころも満載です。

LGBTに対する偏見や差別は昔に比べると少なくなっているものの、それでも小さな世界の中では差別があり、その中でいかに生きていくかを考えらせられる内容です。

あしたのパスタはアルデンテ(2010年・イタリア)

あしたのパスタはアルデンテは2010年に公開されたイタリアのコメディ映画です。イタリアのアカデミー賞にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では助演男優賞や助演女優賞を獲得しています。

日本では2011年8月に公開に先立って、イタリア映画際の上映作品として上映されています。原題は、何をしでかすか分からない危険人物を意味するMine vagantiです。

登場する人物すべてに何らかの悩みがあって秘密を抱えています。どの子にも自分らしく、自分のために生きて欲しいと強く願う祖父の気持ち、そして家族のすばらしさが実感できる映画です。秘密の1つにLGBTが含まれており、コメディ映画でありながら泣けるシーンも多くあります。

お江戸のキャンディー(2019年・日本)

お江戸のキャンディーは女優の広田レオナが監督を務めた映画で、白鳥の湖の初版をベースに舞台を架空の街に置き換えて美しい男たちの愛を描くドラマです。EDOで断トツの人気を誇る男花魁と若衆茶屋の人気ナンバーワン男を中心として恋愛禁止や奇病に翻弄されます。

桃井かおりがナレーションを務めており、カラフルで明るい世界観と男性同士刺激的な愛の物語がベースになっています。どちらかというと見て楽しむ系の映画ですが、ストーリーもしっかり構築されていて面白いです。

イケメンがたくさん出てくる映画で、BLファンの女性からも高い人気を得ています。衣装や音楽が素敵で、ちくはぐな世界観も見ていて飽きません。

ハイヒールの男(2014年・韓国)

ハイヒールの男は2014年に公開された韓国映画で、屈強な肉体と人間離れした格闘技術を持つユン・ジウクが物語の軸となっています。

ユン・ジウクは女性になりたいという願望を持っている性同一障害者でもあり、ある事件をきっかけに警察を自粛して海外で性転換手術を受けようと決意します。

画面が暗めのノワール映画ですが、最後まで分かりやすくストーリーが展開して見どころがたくさんあります。何といってもジウクの色気がむんむんで映画を引き立てています。また女性になりたいというアクション主人公刑事の心情も分かりやすく演じられています。

宇田川町で待っててよ(2015年・日本)

宇田川町で待っててよはonBlueに掲載され、男子高校生とそのクラスメートの女装男子とボーイスラブを描いたコミックを実写映画にしたものです。渋谷での出会いをきっかけに始まる男性同士の恋愛を映し、主演を務めたのは第23回ジュノン・スーパーボーイ準グランプリを獲得した黒羽氏です。

八代は違う自分を演じて見たかったという理由で女装をしましたが、それがきっかけとなってゲイ同士の恋愛とはちょっと違った展開になっていきます。

主人公の2人がイケメンでハンサムであるため、とても美しい作品に仕上がっています。原作から映画の作りが上手で、思わず笑いそうになったり涙が出たり、いろいろな感情が渦を巻きます。

黄金を抱いて飛べ(2012年・日本)

黄金を抱いて飛べは、2012年に日本で公開された高村薫のサスペンス小説がベースになっている映画です。大阪に本店を置くメガバンクの地下には金塊が眠っており、大阪に住む6人の男たちが金塊を狙って計画を企みます。

監督を務めたのは日本の映画監督として世界的にも有名な井筒和幸氏で、俳優陣も浅野忠信や桐谷健太、東方神起のメンバーであるチャンミン、ベテラン俳優の西田敏行など豪華な面々が演じています。

想像力を掻き立てられる内容で、ただの爽快な強盗の話ではない分、後からじわじわと来るものがあります。何度も見返して物語の展開やそれぞれのキャラクターの行動を整理するのも面白いです。

フィリップ、きみを愛してる!(2009年・フランス)

フィリップ、きみを愛してる!は、刑務所内で出会った運命の相手に愛していると伝えるために、詐欺と脱獄を繰り返していくストーリーです。主人公はもともと妻子を愛する平凡な男でしたが、自分らしく生きることを選び刑務所に行くことになります。

お金のかかるゲイライフを満喫するために犯罪を重ねていて非現実的な話のように感じますが実話です。ゲイムービーとしての楽しみを正面から追及しており、恋愛ストーリーとしてもかなり濃い内容です。

また、監督はバッド・サンタを手掛けているグレン・フィカーラとジョン・レクアで、ジム・キャリーとユアン・マクレガーの共演も見どころとなっています。

シングルマン(2009年・アメリカ)

シングルマンは、2009年にアメリカで公開された映画でファッションデザイナーとして成功しているトム・フォード氏が監督を務めた映画として注目されました。ベルリン物語などの著者クリストファー・イシャーウッドの小説をもとに作られています。

どんなに悲しいことがあっても、人生に疲れたとしても、楽しい1日を過ごすためにどうすればいいのか、そんなことを教えてくれる映画です。シングルマン「コリン・ファース」の美しい演技も素晴らしいです。

疲れたときや病んでいるときなどに見ると元気づけられます。LGBTを取り扱っている映画の中では比較的ライトですが、絶望しているシーンと心が晴れるシーンの演出が素晴らしいです。

メゾン・ド・ヒミコ(2005年・日本)

メゾン・ド・ヒミコは2005年に日本で公開された日本映画です。犬童一心が監督としてメガホンを取り、脚本は渡辺あやです。オダギリジョーや柴咲コウなどの大物俳優が主演した映画で当時は話題になりました。

ゲイバーのママだった卑弥呼という男が、ゲイのための老人ホームを作り、自分自身もそこで他のゲイと一緒に暮らしています。卑弥呼には娘がいて、彼女は母親と自分を捨ててゲイとして生きることを選んだ父親を許せずにいました。

そこに卑弥呼の恋人でが現れて、2人の関係を修復しようと行動に移します。同性愛の父を持つ娘の葛藤を描いています。

ブロークバック・マウンテン(2005年・アメリカ)

ブロークバック・マウンテンは、2005年にアメリカで公開されたヒューマンドラマです。保守的なアメリカの西部で20年以上も同性愛の関係でいる男性2人にスポットを当てています。原作は女性が書いており、第78回アカデミー賞の監督賞、脚色賞、音楽賞などを受賞しています。

今でこそ同性愛は許容される世の中になりつつありますが、映画が公開された当時は同性愛があまりポジティブに捉えられていませんでした。しかし、この作品をきっかけに同性愛をテーマにした作品が多く公開されるようになり、LGBTの映画業界に影響を与えました。

映像に出てくる自然に癒されるという口コミも多くあります。

花蓮の夏(2006年・台湾)

花蓮の夏は、2006年に公開された台湾映画です。台湾ではノベライズ化もされており、台湾の人気映画の一つとして知られています。台湾と運部で生まれ育ったジェンシンとショウヘンと彼らを見守る少女が織りなす恋愛模様が見どころです。

メガホンを取ったのは斬新な映像センスでアジアから注目されている若手監督のレス・チェンで、若者たちのほろ苦い青春を描き出しています。ジョセフ・チャンとともに端正な容姿と演技力でスターになったブライアン・チャンも出演しています。

リアリティがある内容で、きれいな映像も人気を集めました。LGBTの恋愛が細かいところまで繊細に描かれている映画です。

トーク・トゥ・ハー(2004年・スペイン)

トーク・トゥ・ハーは、2004年にスペインで公開されたラブストーリーの映画です。オール・アバウト・マイ・マザーを手掛けているベドロ・アルモドバル監督の作品で、愛する女性がこん睡状態となってしまったふたりの男を通して人間の愛情や希望などを描いています。

ゲイ映画ではありませんが、ところどころに一種の同性愛的な部分が感じられます。友情を超えた関係という部分にグッとくる人も多い作品です。ゆがんだ愛の形を美しく表現していて、素晴らしい終わり方にも心にぐっときます。

切ない愛の物語と言ってしまうと安っぽく感じるかもしれませんが、愛について丁寧に語っていて胸にグッときます。

青い棘(2004年・ドイツ)

青い棘は2004年にドイツで公開されたゲイ映画で、1927年にベルリンで起こったシュテークリッツ校の悲劇を映画化した作品です。主演はドイツ映画界で人気の高いダニエル・ブリュールとアウグスト・ディールとなっています。

ベルリンにある学校に通っている対照的な家庭環境で育ったパウルとギュンターの2人が軸に進んでいく話で、実際に会った話をもとにしていることからリアリティがあります。多量のアルコールや同性愛、嫉妬心などドロドロした部分も多いですが、人と人とのつながりを感じさせられます。

2人の主人公の対照的な美しさや青春時代特有の葛藤や残酷性などがきれいに描かれています。

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2002年・アメリカ)

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチは、2002年にアメリカで公開された映画です。東西冷戦時代の東ドイツに生まれた男の子のハンセルは自由の国アメリカでロックスターになることを夢見ています。

そんなある日、アメリカ兵から結婚を申し込まれた彼は性転換手術を受けますが、手術に失敗して怒りの1インチが残ってしまいます。名前を変えて渡米するものの、結局は捨てられてしまいます。しかし、同じ夢を持っているトミーに愛情のすべてとロックシンガーとしての魂を注ぎ込んでいきます。

とても切なくパワフルな映画で、そのギャップが胸を熱くさせます。ロックが好き嫌い関係なく見て欲しいゲイ映画の1つです。

ミルク(2008年・アメリカ)

ミルクは2008年にアメリカで公開された伝記ドラマで、舞台は1970年代のアメリカで政治家のハーヴェイ・ミルクの生き様を描いています。監督はエレファントのガス・ヴァン・サントで、主人公のミルクをオスカー俳優のショーン・ペンが演じています。

物語はミルクが20歳年下のスコットと出会い、恋に落ちて二人は新天地を求めてサンフランシスコに移ってカメラ店を閉店します。その後、その場所は同性愛者が集まる場所となりますが、そこで同性愛者をよく思わない保守派に対抗した商工会を結成しました。

役者の演技力が素晴らしく、特に主演のショーン・ペンやジェームス・フランコのコンビは最高と評されています。

ハッシュ!(2001年・日本)

ハッシュ!は2001年に日本で公開されたヒューマンドラマです。監督を務めたのは、橋口亮輔で、主演は田辺誠一でゲイであることを会社の同僚に気付かれないように慎重に生活していました。

主人公は自分がゲイであることをカミングアウトをしておらず、どこかで自分を見下しています。そんなあるとき、奔放な女性の朝子に出会って精子の提供を求められたことをきっかけに2人の関係は新しい可能性に発展していきます。

出てくるキャラクター1人1人の気持ちや感情に共感ができて、いい意味で押し付ける感じがない作品です。内容も濃くて面白く、物語の最後の最後まで楽しめる作品となっています。

トランスアメリカ(2006年・アメリカ)

トランスアメリカは2005年に公開されたアメリカ映画で、監督を務めたのはこの作品がデビュー作となったダンカン・タッカーです。性同一性障害のブリーが息子であるトビーに自分が父親であることを隠して、アメリカ大陸を横断する旅に出ることになります。

タイトルにトランスという名前が入っていますが、これは生まれたときの体と心の性が異なるトランスジェンダーから取っています。トランスジェンダーというデリケートな素材を主演のフェリシティ・ハフマンが上手く取り扱っています。

テーマはシリアスでなかなか際どい描写ですが、設定が恋人ではなく親子になっているのが見どころです。LGBT映画の中でもトップクラスの出来と言っても過言ではありません。

RENT/レント(2005年・アメリカ)

RENT/レントは2005年にアメリカで公開されたヒューマンドラマで、「歌うように愛したかった。踊るように生きたかった。燃える尽きるその瞬間まで」というキャッチコピーで80年代のニューヨークを舞台にアーティストの卵たちの姿をつづっています。監督を務めたのは「ハリーポッターと秘密の部屋」のクリス・コロンバスです。

映画のタイトルになっているRENTは家賃のことで、家賃も払うことができないような貧しい生活の中でドラッグやエイズなどの問題に直面しながら夢に向かって奮闘しています。

ミュージカルから映画化されたものですが、歌も踊りも音楽もスケールがかなり大きく見ごたえのある映画です。

いつかの君へ(2007年・日本)

いつかの君へは、2007年に日本で公開されたヒューマンドラマです。美大で写真を専攻している男子学生とその双子の弟、クラスメイトなどが禁断の愛に目覚めていくストーリーになっています。3人がじわじわと心を寄せ合うプロセスを死生観も合わさりながらナチュラルに描写されています。

BL映画として高い人気を集めており、ほどよい爽やかさがあって純粋な恋愛に胸を打たれる人が続出しました。名シーンがたくさんあり、思わずグッとくるようなシーンもあります。

ボーイスラブ系の映画に抵抗がある人や濃厚なシーンは苦手という人におすすめしたい作品です。セクシーでありながらコメディタッチもあり、主人公の移り変わる気持ちも上手く表現されています。

アタック・ナンバーハーフ・デラックス(2014年・タイ)

アタック・ナンバーハーフは、2014年に公開されたタイのコメディ映画です。オカマのバレー選手が国体を目指す実話をもとにした映画であり、チャイ以外はすべてオカマという異色のチームが予想に反して頭角を現していくストーリーです。

日本では現実的ではないように感じますが、タイはLGBTフレンドリーの国で他の国に比べるとゲイの割合はかなり高く、映画のようなことが起こってもどこか納得できる部分もあります。

この映画の良いところは、日本とタイのLGBTに対する見方が異なっているのが分かる点です。実際に演じているのは生粋のゲイだけではありませんが、違和感なく楽しめる作品となっています。

スプリング・フィーバー(2009年・中国・フランス・香港合作)

スプリング・フィーバーは、2009年に中国・フランス・香港で合作された映画で、第62回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞している作品です。「天安門・恋人たち」の上映をきっかけに中国電影局によって映画製作や上映禁止処分を受けた監督が処分を無視して撮影を行ったラブストーリーです。

南京の日常の中において紡がれていく普遍的な愛の物語を描いており、出演したのは回路のチン・ハオたちです。

ある日を境にすべてが変わってしまい、どうにもできない無力感だけが残るというどの作品にも共通するやるせなさが胸に残ります。最後まで目が離せない展開で考えさせられることも多い作品です。

僕の恋、彼の秘密(2004年・台湾)

僕の恋、彼の秘密は2004年に公開された台湾映画で、台北を舞台にゲイの青年たちが織りなす恋の行方を爽やかに描いている作品です。低予算でありながら異例のロングランヒットを記録したラブストーリーで、日本でも高い人気があります。

出演者はオール男性という映画ですが、監督を務めているのは女性です。LGBTを取り扱っている映画は影のような部分が目立ちますが、この作品は楽しく作られていて見ると楽しい気分にさせてくれます。

コメディタッチで描かれており、主人公の友人のキャラはかなり独特な雰囲気ですが、シリアスになるような部分はありません。主人公がピュアでかわいいのも映画の見どころです。

愛の言霊(2007年・日本)

愛の言霊は、ボーイズラブの世界で人気を博している漫画家・紺野けい子が同名コミックを原作に男性同士の純粋な恋愛を描いた恋愛ドラマです。人気俳優の2人が美しく大胆なラブシーンを熱演したことで話題になり、離れたり寄り添ったりする2人の気持ちが胸に刺さります。

観ていると幸せなんだろうなと思う内容で、BLという枠にくくってしまうのが勿体ない作品です。ストーリーも無理なく面白いですが、ストーリーが進むにつれて愛おしく感じるようになります。

原作ファンからも高い評価を得ている作品で、原作と内容は完全一致してないものの、ふんわりとした雰囲気がよく表れています。

体育館ベイビー(2008年・日本)

体育館ベイビーは2008年に日本で公開されたボーイスラブストーリーで、監督を務めたのは狼少女の深川栄洋です。主人公の共栄部のエースを演じたのは、仮面ライダー電王の中村優一です。

夏のインターハイ予選でエースはライバルの村井に負け、村井に懇願されてコーチを務めることになります。ほどなく受験勉強を優先させた潤が村井に唇を奪われて二人の関係が深まっていきます。

好きになった相手がたまたま男性だっただけで、内容は異性恋愛系の映画と変わらず純粋なラブストーリーです。登場人物がイケメンでかわいかったこともあり、女性から高い人気を得た作品の1つです。

バッドエデュケーション(2004年・スペイン)

バッドエデュケーションは2004年に公開されたスペインのドラマ映画で、監督や脚本を務めたのはペドロ・アルモドバルです。フランシスコ・フランコ政権下における抑圧的な神学校での少年二人の友情と初恋を描いています。

神父による性的虐待や現代の成人した彼らの姿が交錯して物語が描かれており、保守的な神学校で青春時代を過ごした監督の半自伝的な作品でもあります。

後半はサスペンス映画のような展開になっており、アップダウンもあって最後まで楽しく鑑賞できます。また、直接的な表現ではないものの、LGBTに対する偏見をなくそうとする監督の意図もところどころに見えてきます。

プルートで朝食を(2005年・アイルランド・イギリス合作)

プルートで朝食をは2005年にアイルランド・イギリス合作で作れられた映画です。パトリック・マッケーブの小説をニール・ジョーダン監督が映画化し、自分のアイデンティティに悩む青年が自分を捨てた母親を探す旅に出て自分自身を見つめ直していきます。

LGBT映画に分類される作品で、男性の体に生まれた女性の心を持った主人公を巡る人生や家族の絆などが色濃く描かれており、爽やかな感動を与えてくれます。

70年代のアイルランドという時代も上手く作られており、主演のキリアン・マーフィの容姿についても絶妙に似合っています。変装しているよりもそれ以上のものを感じさせる化け方も魅力的です。

レター・デイズ Latter Days(2003年・アメリカ)

レター・デイズは2003年にアメリカで公開されたロマンス映画で、カリフォルニア州のロサンゼルスで公開されました。監督と脚本を務めたのはC・ジェイ・コックスです。

ロサンゼルスのレストランで給仕として働くゲイのクリスチャンは毎晩のように男を連れ込んでつかの間の関係を持つという関係を続けていましたが、隣に数人の青年が引っ越ししてきたところから物語が展開します。

ゲイである自分を封じ込めてきた青年が開放的に遊んでいるゲイと知り合い、そこから本気の恋に発展しますが、内容はとても切なくて素敵です。宗教が絡むテーマですが、内容は分かりやすくスッと入ってきます。

タクミくんシリーズ(2007年・日本)

タクミくんシリーズは2007年に日本で公開された映画で、原作となっているのはBL小説です。2007年に1作目が公開されましたが、その後も5作目まで製作されています。脚本は金杉弘子、監督・編集を横山一洋が務めています。

主人公のギイと託生の愛し合うカップルの話しで、その関係は人目を忍ぶ秘密の恋でしたが、学内の生徒会行事と託生の兄の墓参りが同じタイミングになったところから物語が展開していきます。

ボーイズラブというジャンルではあるものの、何かを犠牲にしてでも貫き通したい愛がそこに見えます。切なくなるほど美しい世界観が魅力的で、原作を知らなくても楽しめます。

藍宇 〜情熱の嵐〜(2001年・香港)

藍宇 〜情熱の嵐〜は2001年に香港で公開された映画で、原作は台湾で出版された北京故事です。監督務めたのはスタンリー・クワン氏で、自らもカミングアウトした過去があります。

プレイボーイの青年実業家、ハントンが地方から来たばかりの貧乏学生ランユーを買い、一夜限りの関係を結ぶところから話が展開していきます。切なくきれいな映画で、純粋でまっすぐなランユーに対するハントンの気持ちが伝わってきます。

同性、異性に関係なく素晴らしい愛を描いている作品です。二人の俳優は映画を通して気持ちが熱くなり、その後は1年間会ってなかったという逸話もあります。

王の男(2005年・韓国)

王の男は2005年に公開された韓国映画で、16世紀の韓国の宮廷を舞台に繰り広げられていく歴史ドラマになります。地方から都にやってきて王の前で芸を披露するようになる芸人の運命をたどっています。

16世紀の宮廷を見事に再現しており、宮廷絵巻に魅了されます。女形のコンギルを演じたイ・ジュンギが女性以上に女性らしく、化粧をしていなくても女性と見間違えるような美しさも魅力です。

2人の愛は同性愛という枠に収まるようなものではなく、純粋で無償に注ぐ愛がとても美しくて感動します。自らの命をかけても守りたい相棒でもあり同士でもある2人の関係が愛おしく感じます。

後悔なんてしない(2006年・韓国)

後悔なんてしないは2006年に韓国で公開された同性愛ドラマで、大胆な濡れ場や繊細な心理描写をきめ細やかに演じたのはイ・ハンとイ・ヨンフンです。さまざまな苦難やトラブルを乗り越えて結ばれるために葛藤する2人の姿が感動的な作品となっています。

ゲイ役を務めているイ・ヨンフンがチャーミングでかわいく、孤児院から社会に出るシーンやそれから社会の荒波に揉まれて変わる気持ちを演じています。未来がありそうな結末もグッドです。

周囲から見ると少し人騒がせな恋人たちのようにも見えますが、ちょっと泣いて笑って人を好きになれる2人がうらやましくも感じます。音楽や演出も素晴らしく、終わったらもう1度みたくなる傑作です。

太陽と月に背いて(1995年・イギリス・フランス・ベルギー合作)

太陽と月に背いては、1995年にイギリス・フランス・ベルギーで合作されたヒューマンドラマです。タイタニックで一躍有名になったレオナルド・ディカプリオが主演を務めている作品でもあります。

19世紀のフランス象徴主義の代表的詩人のアルチュール・ランボーとヴェルレーヌの軌跡を描いており、若く美しく才能あふれるランボーとお酒に溺れて狂暴な感情の爆発と内気な優しさという矛盾をはらむヴェルレーヌの出会いから物語が進みます。

天才同士のバカップルという表現がぴったりのゲイ映画で、レオナルド・ディカプリオがより美しい映画とも言われています。切なくてつらいシーンもありますが、愛情の世界がとても美しく見ごたえがあります。

Mr.レディ Mr.マダム(1996年・アメリカ)

Mr.レディ Mr.マダムは、1996年に公開されたコメディ映画です。監督はエドアール・モリナロで、人気オカマクラブ・クレージー・ケージを経営するレナトとアルバンのおかまカップルに事件が発生するところから物語が進んでいきます。

フランスで大ヒットした舞台劇を映画化したものでなんとも言えない世界観とつつましさ、生きるオカマ達の涙ぐましいヒューマニズムのブレンドが絶妙です。突然の息子の結婚に慌てている中年のおかまカップルの姿が面白いです。

この映画が公開されたころは今に比べてゲイが生きにくい世の中でしたが、それでも自分たちの愛を信じて貫こうとする姿勢や感情は今見てもグッときます。笑えて感動もあっておすすめの作品です。

バードケージ(1996年・アメリカ)

バードケージは、1996年に公開されたアメリカ映画で「Mr.レディMr.マダム」をハリウッド版にリメイクした作品となっています。

フロリダの夜を彩るショー・クラブ“バードケージ”のオーナー兼演出家の夫となるアーマンドと彼の相棒でお店のトップスターのアルバートは仕事の上でも私生活でも最高のパートナーでした。そんなある日、息子が結婚したいと言い出し、婚約者は保守派の議員で、常識も性別も超えたアーマンドとアルバートの関係を理解してもらうために奮闘します。

嫌な人は出てこず、安心して最後まで見られる作品です。自分の境遇を言うべきか、言わざるべきか、そのような悩みを持っている人にも見て欲しい作品です。

ぼくのバラ色の人生(1998年・フランス)

ぼくのバラ色の人生は、1997年にフランスで公開されたドラマ映画です。MtFトランスジェンダーの子供とその家族が周囲の偏見や差別にあいながらも懸命に生きていく姿を描いている作品になります。

幼くして女の子になりたいと願い続ける男の子がまっすぐな視点で描く感動のドラマです。この後にハリウッドに進出することになるベルギー出身のアラン・ベルリネールは1997年にヨーロッパ映画賞で脚本賞を得ています。

オレンジや赤色が多く使用されていてハッピーな雰囲気にも感じますが、内容はかなりヘビーです。周囲の理解を得られないことや家族に理解されない辛さがダイレクトに胸に刺さってきます。

ウエディング・バンケット(1993年・台湾・アメリカ合作)

ウエディング・バンケットは、1993年に制作された台湾・アメリカの合作映画です。第43回のベルリン国際映画祭において最高賞の金熊賞を獲得しており、台湾のアカデミー賞と言われる金馬奨においては5冠に輝きました。

台湾人青年のウェイトンはマンハッタンにおいて恋人のサイモンと暮らしていましたが、ウェイトンは自分がゲイであることを両親に告げられずにいました。偽装結婚で両親にゲイであることを隠し続けようとしましたが、両親が渡米してきたことで物語が大きく進みます。

ほんのつかの間の偽りのはずが、想定外の出来事の積み重りによって人生や家族の姿を浮き彫りにしていきます。

トーチソング・トリロジー(1988年・アメリカ)

トーチソング・トリロジーは1988年に公開されたアメリカの傑作舞台の映画で、作品のファイアスティン自身が脚色して主演を務めています。女装が趣味でゲイでありながら、素晴らしい芸人でもある主人公を軸に展開されるコメディドラマです。

自分に正直に生きようとするゲイに対する周囲の差別や無理解などが1つの障害として立ちはだかっています。悲劇に見舞われてもユーモアを忘れることなく日常をこなす美しい人の姿も見どころです。

内容だけで見ると重たい感じがするかもしれませんが、コメディタッチで描かれていることで重さは緩和されています。最後まで楽しく見ることができる作品です。

御法度(1999年・日本)

御法度は1999年に日本で公開された日本映画で、監督を務めているのは大島渚氏です。幕末に生きた新選組の世界を独自の解釈でつづっている作品で、幕末の京都を舞台にひとりの美少年隊士をめぐって引き起こされる愛憎劇が見どころです。

ビートたけし、松田龍平、浅野忠信、武田真治が主演を務めています。新選組が好きな人にはたまらない作品で、ところどころに伏線や謎がちりばめられているため、何度も見返したくなる映画です。

好きな男を自分の手で殺したくなる男は、本当に好きだから自分のものにしたいのか考えさせられます。狂気と正気の狭間で織りなす人間同士の本能や理性、心情など、視点を変えながら楽しめます。

プリック・アップ(1987年・イギリス)

プリック・アップは1987年にイギリスで公開されたノンフィクション映画です。舞台となっているのは1960年代のロンドンで、恋人同士であった作家のジョー・オートンとケネス・ハリウェルの出会いから最後を描いています

同時のロンドンでは同性愛が禁止されており、2人の関係には大きな試練が待ち受けていました。また、ホモセクシャルというタブーの中で恋人であり同士であったジョー・オートンだけが羽ばたき、自分だけが取り残される悲壮感も漂ってきます。

公開されてからかなりの月日が経っていますが、今でもLGBT映画の中では高い人気を誇っています。センセーショナルな部分もありつつ、いろいろと考えさせられる作品です。

イン&アウト(1997年・アメリカ)

イン&アウトは1997年にアメリカで公開されたコメディ映画で、自分の教え子によってゲイであることを暴露された教師とその周辺の悲喜劇を描いています。1994年の66回アカデミー賞におけるトム・ハンクスのスピーチがベースになっています。

60年代から80年代のアメリカ芸能が色濃く出ている作品で、キャストの豪華さや作品にマッチする音楽、美しいアメリカの田舎風景などが印象的です。元気がなく、深く考えたくないときにおすすめの作品です。

また、本作の舞台となっているのは大都市ではなく閉鎖的で保守的な場所です。男は男らしく、女は女らしくの風土でゲイに見られたときの肩身の狭さは想像を絶します。

アメリカン・ビューティー(1999年・アメリカ)

アメリカン・ビューティーは、1999年にアメリカで公開されたファミリードラマです。第72回アカデミー賞で作品賞のほか、全部で5部門を受賞しています。あるサラリーマン家庭の崩壊劇を通じ、現代アメリカの理想的な家族の裏側に潜む孤独をシニカルな視点で描いています。

ごく平凡な家庭の調和が少しずつ崩れていく内容となっていて、どんな人にも裏があってその領域には入り込まない方が自分のためだと言うメッセージが伝わってきます。

非日常的なできごとによって生活が崩壊していく様子や、平凡な日常であることがいかに幸せなことであるかなど、今の自分が置かれている立場を改めて見直すきっかけになる素晴らしい映画です。

渚のシンドバッド(1995年・日本)

渚のシンドバッドは1995年に日本で公開されたヒューマンドラマで、夏・恋・友情・孤独などのテーマが凝縮されている作品です。登場人物の切ない心情をすくい上げている作品で、月日が経ってもその色は褪せることがありません。

登場人物の曖昧な心がそのまま描かれていて、物語の主要人物の6人のうち誰かは自分と重なるという人が大半ではないでしょうか。基本的にはゲイの青年と彼に思いを持つ少女の姿を描いています。

今の若い人でも名前は聞いたことがある!という人も多い作品で、公開されてから月日が経っても作品の価値は色あせません。

セルロイド・クローゼット(1995年・アメリカ)

セルロイド・クローゼットは、1995年にアメリカで公開されたドキュメンタリー映画です。ハリウッドの歴史の中でLGBTがどのように描かれてきたかどうかについて、インタビューを通して検証していく内容です。

タイトルとなっているセルロイド・クローゼットは「フィルムを保管する場所」という意味があり、そこから偏見や差別から身を守るための逃げ場所や映画の中においてクローゼットの中に閉じ込められていたという意味が込められています。

性的少数者の描かれ方についても恐怖・吹聴の対象だったのが、生き方の一つに代わっているのも分かります。LGBTの歴史を知れるおすすめの映画です。

3人のエンジェル(1996年・アメリカ)

3人のエンジェルは、1996年にアメリカで公開されたブレイドのW・スナイプス主演によるコメディ映画です。女装したゲイのコンテストに出るために出発したドラッグクィーンがハリウッドまでさまざまな思いを巡らせます。

スナイプスなど3人の肉体派の女装は見もので、色っぽいスェイジはゴールデン・グローブ賞を獲得しています。とにかく3人の個性が強くキャラが立っていて、ファッションセンスも抜け目ないのがすごいです。

見ると自然に笑顔になるシーンも多く、気分が落ち込んでいるときやテンションを上げたいときに見ると元気になれます。山場が要所要所にちりばめられているのもグッドです。

シェイクスピアと僕の夢(2008年・アメリカ)

シェイクスピアと僕の夢は2008年にアメリカで公開された映画で、2008年に東京国際レズビアン&ゲイ映画祭でアジア初上映された作品です。シェイクスピアがもとになっているのでストーリーは面白く音楽も演出も素晴らしい作品です。

ゲイゆえに学校でいじめられている高校生を中心に展開され、明るい音楽と演出で物語が進んでいきます。ゲイをテーマにしているミュージカル映画はたくさんありますが、その中でも特に笑えて泣けて楽しめます。

ボーイ・ミーツ・ラブ(2004年・カナダ・イギリス合作)

ボーイ・ミーツ・ラブは2004年に公開されたカナダ・イギリスの合作映画で、監督を務めたのはイアン=イクバル・ラシードです。日本では2005年に上映されて当時話題になりましたが、映画祭における邦題のタイトルはタッチオブピンクになっています。

離れて暮らす家族に自分がゲイであることを隠し、ボーイフレンドと家族との狭間で揺れながら自分自身と向き合う姿を描いています。

シリアスなテーマでありながら、内容はほのぼとしているシーンもあって見やすいです。ちょっと変わったハートウォーミングラブストーリで、自分を隠す苦悩や葛藤も分かりやすく表現されていて最後まで目が離せません。

ブエノスアイレス(1997年・香港)

ブエノスアイレスは、1997年に公開された香港映画です。香港の裏側にあたるアルゼンチンを旅するゲイカップルの話で、2人の関係を修復するために訪れていました。しかし、途中で喧嘩別れをしてしまいカップルの1人のファイはブエノスアイレスで働くことになります。

男同士の切ない恋愛や人間模様を描いたラブストーリーで、激しく愛し合いながらも傷つけ合う関係は同性愛者の恋愛を象徴しているようです。

イグアスの滝を上空から捉えたショットは非常に美しく、このショットのようなマジック・リアリズム的な映像と即興による自然な芝居が合わさっています。リアルな夢を見ているような気分になれます。

ピンクフラミンゴ(1972年・アメリカ)

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ピンクフラミンゴは、1972年にアメリカで公開されたコメディドラマです。監督はジョン・ウォーターズが務めていますが監督自身もゲイです。家族とともにトレーラーで生活している巨女のディヴァインとマーブル兄妹の地上でもっとも破廉恥な人間の座を巡って争います。

性的マイノリティーを扱う映画に対して共感や理解、哀れみなどの感情を持ってみる人が多いですが、この映画はグロテスクな世界が楽しめる別視線のLGBT映画です。

セックス、ドラッグ、殺人、共食い、名声など、一般的なLGBT映画とは一線を画しています。重たい感じのLGBT映画が苦手な人や新たな視点で楽しみたい人におすすめの映画です。

パリ、夜は眠らない(1990年・アメリカ)

パリ、夜は眠らないは、1990年に公開されたドキュメンタリー映画です。女流監督による異色の映画で、登場人物の多くが黒人でありゲイであるという特徴もあります。

物語の舞台となっているのは1980年代のレーガン政権の時代で、エイズの恐怖が世界中でパニックを引き起こしていました。セクシャルマイノリティにとって生きにくい状況の中、実家を飛び出すなどして居場所のない人々がハーレムに集まってコミュニティを形成しまいた。

この頃はあこがれの自分を演じるという行為こそがアイデンティティを得るために、そして自分の居場所を確保するための手段だったのかもしれません。

メーキング・ラブ(1982年・アメリカ)

メーキング・ラブは1982年にホモ・セクシャルを題材にA・ヒトラーが描いたアメリカのヒューマンドラマです。

医師として働く主人公のザックは幸せな日々を送っていましたが、心の中はいつも満たされない気持ちでした。そんな中、患者の1人でゲイのパートと出会って2人は結ばれるようになります。

俳優の演技が秀逸で、主人公を誘惑する患者役も上手に演じています。以前はVHS版しかありませんでしたが、今はDVD版もリリースされています。LGBTであることを認めることへの葛藤、その後の人生の設計など、さまざまなことを考えさせられる内容となっています。

パートナーズ(1982年・アメリカ)

パートナーズは1982年にアメリカで公開されたコメディ映画で、ゲイ殺しの捜査のために2人の警官がゲイのカップルを偽造するところから物語が展開していきます。主な登場人物は女好きのモテ男であるライアン・オニールと相棒を好きになってしまうゲイ役をジョンハートが演じています。

当時はさまざまなLGBT映画が公開されていますが、この映画は前半を中心にかなりコメディ色が強く明るい気持ちで楽しめる作品です。

また、やきもちや美女の登場などで心が翻弄される姿も見どころとなっています。後半はコメディ色が少し落ち着く代わりに、サスペンスとして次は盛り上がっていきます。

同級生(1998年・イギリス)

同級生は1998年にイギリスで公開された青春ドラマで、イギリスの高校生が主人公で同性に恋をしてその行方をほろ苦く爽やかに描いています。16歳の普通の高校生スティーブンが恋をした相手はガールフレンドがいる学校一の人気もので、最初は単なる片思いでしたが、次第に二人の距離が縮まっていきます。

ゲイの高校生が悩みをカミングアウトするまでの葛藤や恋愛、セックスなどがリアルに描かれており、モーリスやアナザーカントリーなどと並んで人気が高いLGBT映画です。

映画を色で例えるなら空のような色で、さまざまな人の心情や景色が美しく描かれています。男性陣だけでなく女性陣の活躍も見どころです。