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【ゲイ映画】ゲイ・LGBT・BL・同性愛がテーマの映画56選まとめ(2009年まで)

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モーリス(1987年・イギリス)

モーリスは1987年にイギリスで公開された映画です。20世紀初頭のイギリスを舞台に2人の青年が織りなす禁断の愛を描いています。1980年の同性愛を扱った映画の中では特に高く評価されている作品の1つです。

同性愛が犯罪とされていた時代の中で、主人公のモーリスとクライブがお互いに恋愛感情を抱くようになりますが、クライブは肉体関係を拒否したまま学生時代を終えます。

社会に出て大人になってからも付かず離れずの友情は続きますが、やがてお互いを傷つける関係に代わっていきます。日本でも1988年に公開されて地上波でも放送されるなど注目度が高い映画でした。

マイ・プライベート・アイダホ(1991年・アメリカ)

マイ・プライベート・アイダホは、1991年にアメリカで公開された青春ロードムービーです。ストリートで男娼として生きる青年マイクと仲間のスコットとともに行方不明の母親を探すためにアイダホに向かいます。

リヴァー・フェニックスとキアヌ・リーヴスが主演を務めており、監督はエレファントやミルクを手掛けガス・ヴァン・サントです。映像が美しく、死ぬまでに見たい映画1001本に掲載されているのも特徴です。

ゲイを全面に出している感じではないものの、ゲイや腐女子人気が高い作品となっています。映像が美しくストーリーも分かりやすく、ケルアックの精神を宿したロードムービーとなっています。

アナザー・カントリー(1984年・イギリス)


アナザー・カントリーは、1984年にイギリスで公開された青春ドラマです。物語の舞台となっているのは1930年代のイギリスのエリート校で、同性愛や共産主義などにはまっていく学生を描いています。

パブリックスクール、イートン校の学生であるガイは別の寮のハーコートに心を奪われて、親友で共産主義のジャドはガイに忠告するもガイはハーコートしか見えなくなっていきます。そんな中、自治会のファウラーに手紙を奪われて物語が展開していきます。

主演のルパート・エヴェレットとケイリーが互いに惹かれ合う同性カップルを演じていて、2人が寄り添うシーンはとても美しくて見ごたえがあります。また、若者たちの直面する苦悩や挫折も描かれています。

マイ・ビューティフル・ランドレット(1985年・イギリス)

マイ・ビューティフル・ランドレットが、1985年にイギリスで公開された映画です。もともとは殺し屋たちの挽歌のスティーブン・フリアーズがチャンネル4のために制作したTV映画ですが、劇場公開されてから人気を博しました。

ロンドンが舞台となっており、叔父にコイン・ランドリーをまかされたパキスタン人青年が送る生活を通して生活を続けるパキスタン人の姿を描いています。日本では2019年にリバイバル公開されるなど国内でも人気の高いゲイ映画です。

ニューロマンティックスのエレクトロニックミュージックが流れるクラブの内装などの色彩のけばけばしい感じも時代の感じが出ていて、キャラクターの個性も上手く表現されています。

ベニスに死す(1971年・イタリア・フランス合作)

ベニスに死すは、1971年にイタリア・フランス合作で公開されたヒューマンドラマです。映画界の巨匠ルキノ・ヴィスコンティの不朽の名作映画で、静養のためにベニスを訪れた老作曲家アッシェンバッハが道中に出会った美少年タジオの美しさに魅了されていきます。

超がつくほどの美少年と少年に魅せられた老作曲家の苦悩と愛情が見どころとなっていて、公開されてから期間が空いていますが、今でも多くの人を魅了しています。アルファロメオとヴィスコンティの縁が感じられる作品です。

また、当時のイギリスが抱える社会問題を淡々と描いており、時代と共にどのように社会が変わってきたかなど、今と昔を比べるのも楽しい作品となっています。

プリシラ(1994年・オーストラリア)

プリシラは、1994年にオーストラリアで公開されたロードムービーです。3人のドラッグクィーンがバスに乗ってシドニーやオーストラリア、砂漠などでショーを開催するために旅に出る物語です。

今でこそゲイバーが多くあり、LGBTに寛容な社会に変わりつつありますが、映画の舞台となっている年代はLGBTに対する偏見や差別が強い時代でした、そんな中でも、歌やショータイムなどを自分らしく楽しんでいる主人公に元気をもらいます。

俳優陣の演技も素晴らしく、日々悩むことがたくさんあっても自分や仲間と一緒に生きていこうと思わせてくれる内容です。落ち込んでいるときや元気になりたいときにお勧めの映画です。

フィラデルフィア(1993年・アメリカ)

フィラデルフィアは、1993年に公開されたアメリカ映画です。作品の舞台がフィラデルフィアになっているのは、その名前がギリシア語で兄弟愛を意味していることに由来しています。

一流法律事務所に勤務している弁護士のペケットは自分がエイズに感染していることに気付いて、会社はペケットに解雇を言い渡しますが、これに対してペケットは訴訟を起こします。ゲイであることを理由に世間は冷たくあたりますが、以前敵だった弁護士ミラーを訪ねるところから話は展開していきます。

現在はこのような差別や偏見は少なくなっていますが、こうした出来事を経て今があることを実感できる作品です。

ボーイズ・ドント・クライ(1999年・アメリカ)

ボーイズ・ドント・クライは、1999年に公開されたアメリカ映画です。キンバリー・ピアースが監督を務めた作品で、ネブラスカ州で殺害された実在の人物がテーマになっています。

主人公のブランドンは性同一障害で、体は女性ながら本人の性自認は男性です。軽犯罪を犯したことで街を出る必要に迫られたブランドンはフォールズタウンという街でジョンとトムに出会い、ジョンの娘のラナと恋に落ちます。

LGBTに対してもっとみんなが寛容的な社会であれば、残酷な事件が起きなかったのでは?と思うような内容となっています。ストレートやヘテロセクシャルの人にこそ知って欲しい映画です。

ロッキー・ホラー・ショー(1975年・イギリス)

ロッキー・ホラー・ショーは、リチャード・オブライエンが作詞作曲したミュージカルで1975年にイギリスで公開されました。現在になってもアンコール上映される人気作品です。

フランケンシュタインのような人造人間で完璧な肉体を持った金髪で日焼けしたロッキーホラーによるホラー映画の雰囲気もありますが、全編を通してミュージカル構成になっているのでコメディ寄りの作品です。

ロック、ホラー、ホモセクシュアルにSFなど、さまざまな要素が複合的に絡みあっています。音楽も演出もどれも素晴らしく、素晴らしい世界観の映画です。愛らしいカルトムービーで何度も見たくなる作品の1つです。

オール・アバウト・マイ・マザー(1999年・スペイン)

オール・アバウト・マイ・マザーは1999年にスペインで公開されたスペイン映画で、1999年のアカデミー外国語映画賞を受賞しています。最愛の息子を事故で失ってしまった母親の死を乗り越える魂の軌跡を描いています。

ずっと隠してきた夫の秘密を話そうと決めた矢先に息子を失ってしまうという衝撃的な展開ですが、息子が残した父に対する思いを伝えるために青春を過ごしたバルセロナに旅立ちます。

公開されてから年数が経っていますが、今でも根強い人気のLGBT映画です。ストーリーや登場人物は複雑であるものの、すっきりと分かりやすく頭に入ってきます。ペドロ・アルモドバルの最高傑作と言われる作品です。

フィリップ、きみを愛してる!(2009年・フランス)

フィリップ、きみを愛してる!は、刑務所内で出会った運命の相手に愛していると伝えるために、詐欺と脱獄を繰り返していくストーリーです。主人公はもともと妻子を愛する平凡な男でしたが、自分らしく生きることを選び刑務所に行くことになります。

お金のかかるゲイライフを満喫するために犯罪を重ねていて非現実的な話のように感じますが実話です。ゲイムービーとしての楽しみを正面から追及しており、恋愛ストーリーとしてもかなり濃い内容です。

また、監督はバッド・サンタを手掛けているグレン・フィカーラとジョン・レクアで、ジム・キャリーとユアン・マクレガーの共演も見どころとなっています。

シングルマン(2009年・アメリカ)

シングルマンは、2009年にアメリカで公開された映画でファッションデザイナーとして成功しているトム・フォード氏が監督を務めた映画として注目されました。ベルリン物語などの著者クリストファー・イシャーウッドの小説をもとに作られています。

どんなに悲しいことがあっても、人生に疲れたとしても、楽しい1日を過ごすためにどうすればいいのか、そんなことを教えてくれる映画です。シングルマン「コリン・ファース」の美しい演技も素晴らしいです。

疲れたときや病んでいるときなどに見ると元気づけられます。LGBTを取り扱っている映画の中では比較的ライトですが、絶望しているシーンと心が晴れるシーンの演出が素晴らしいです。

メゾン・ド・ヒミコ(2005年・日本)

メゾン・ド・ヒミコは2005年に日本で公開された日本映画です。犬童一心が監督としてメガホンを取り、脚本は渡辺あやです。オダギリジョーや柴咲コウなどの大物俳優が主演した映画で当時は話題になりました。

ゲイバーのママだった卑弥呼という男が、ゲイのための老人ホームを作り、自分自身もそこで他のゲイと一緒に暮らしています。卑弥呼には娘がいて、彼女は母親と自分を捨ててゲイとして生きることを選んだ父親を許せずにいました。

そこに卑弥呼の恋人でが現れて、2人の関係を修復しようと行動に移します。同性愛の父を持つ娘の葛藤を描いています。

ブロークバック・マウンテン(2005年・アメリカ)

ブロークバック・マウンテンは、2005年にアメリカで公開されたヒューマンドラマです。保守的なアメリカの西部で20年以上も同性愛の関係でいる男性2人にスポットを当てています。原作は女性が書いており、第78回アカデミー賞の監督賞、脚色賞、音楽賞などを受賞しています。

今でこそ同性愛は許容される世の中になりつつありますが、映画が公開された当時は同性愛があまりポジティブに捉えられていませんでした。しかし、この作品をきっかけに同性愛をテーマにした作品が多く公開されるようになり、LGBTの映画業界に影響を与えました。

映像に出てくる自然に癒されるという口コミも多くあります。

花蓮の夏(2006年・台湾)

花蓮の夏は、2006年に公開された台湾映画です。台湾ではノベライズ化もされており、台湾の人気映画の一つとして知られています。台湾と運部で生まれ育ったジェンシンとショウヘンと彼らを見守る少女が織りなす恋愛模様が見どころです。

メガホンを取ったのは斬新な映像センスでアジアから注目されている若手監督のレス・チェンで、若者たちのほろ苦い青春を描き出しています。ジョセフ・チャンとともに端正な容姿と演技力でスターになったブライアン・チャンも出演しています。

リアリティがある内容で、きれいな映像も人気を集めました。LGBTの恋愛が細かいところまで繊細に描かれている映画です。

トーク・トゥ・ハー(2004年・スペイン)

トーク・トゥ・ハーは、2004年にスペインで公開されたラブストーリーの映画です。オール・アバウト・マイ・マザーを手掛けているベドロ・アルモドバル監督の作品で、愛する女性がこん睡状態となってしまったふたりの男を通して人間の愛情や希望などを描いています。

ゲイ映画ではありませんが、ところどころに一種の同性愛的な部分が感じられます。友情を超えた関係という部分にグッとくる人も多い作品です。ゆがんだ愛の形を美しく表現していて、素晴らしい終わり方にも心にぐっときます。

切ない愛の物語と言ってしまうと安っぽく感じるかもしれませんが、愛について丁寧に語っていて胸にグッときます。

青い棘(2004年・ドイツ)

青い棘は2004年にドイツで公開されたゲイ映画で、1927年にベルリンで起こったシュテークリッツ校の悲劇を映画化した作品です。主演はドイツ映画界で人気の高いダニエル・ブリュールとアウグスト・ディールとなっています。

ベルリンにある学校に通っている対照的な家庭環境で育ったパウルとギュンターの2人が軸に進んでいく話で、実際に会った話をもとにしていることからリアリティがあります。多量のアルコールや同性愛、嫉妬心などドロドロした部分も多いですが、人と人とのつながりを感じさせられます。

2人の主人公の対照的な美しさや青春時代特有の葛藤や残酷性などがきれいに描かれています。

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2002年・アメリカ)

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチは、2002年にアメリカで公開された映画です。東西冷戦時代の東ドイツに生まれた男の子のハンセルは自由の国アメリカでロックスターになることを夢見ています。

そんなある日、アメリカ兵から結婚を申し込まれた彼は性転換手術を受けますが、手術に失敗して怒りの1インチが残ってしまいます。名前を変えて渡米するものの、結局は捨てられてしまいます。しかし、同じ夢を持っているトミーに愛情のすべてとロックシンガーとしての魂を注ぎ込んでいきます。

とても切なくパワフルな映画で、そのギャップが胸を熱くさせます。ロックが好き嫌い関係なく見て欲しいゲイ映画の1つです。

ミルク(2008年・アメリカ)

ミルクは2008年にアメリカで公開された伝記ドラマで、舞台は1970年代のアメリカで政治家のハーヴェイ・ミルクの生き様を描いています。監督はエレファントのガス・ヴァン・サントで、主人公のミルクをオスカー俳優のショーン・ペンが演じています。

物語はミルクが20歳年下のスコットと出会い、恋に落ちて二人は新天地を求めてサンフランシスコに移ってカメラ店を閉店します。その後、その場所は同性愛者が集まる場所となりますが、そこで同性愛者をよく思わない保守派に対抗した商工会を結成しました。

役者の演技力が素晴らしく、特に主演のショーン・ペンやジェームス・フランコのコンビは最高と評されています。

ハッシュ!(2001年・日本)

ハッシュ!は2001年に日本で公開されたヒューマンドラマです。監督を務めたのは、橋口亮輔で、主演は田辺誠一でゲイであることを会社の同僚に気付かれないように慎重に生活していました。

主人公は自分がゲイであることをカミングアウトをしておらず、どこかで自分を見下しています。そんなあるとき、奔放な女性の朝子に出会って精子の提供を求められたことをきっかけに2人の関係は新しい可能性に発展していきます。

出てくるキャラクター1人1人の気持ちや感情に共感ができて、いい意味で押し付ける感じがない作品です。内容も濃くて面白く、物語の最後の最後まで楽しめる作品となっています。

トランスアメリカ(2006年・アメリカ)

トランスアメリカは2005年に公開されたアメリカ映画で、監督を務めたのはこの作品がデビュー作となったダンカン・タッカーです。性同一性障害のブリーが息子であるトビーに自分が父親であることを隠して、アメリカ大陸を横断する旅に出ることになります。

タイトルにトランスという名前が入っていますが、これは生まれたときの体と心の性が異なるトランスジェンダーから取っています。トランスジェンダーというデリケートな素材を主演のフェリシティ・ハフマンが上手く取り扱っています。

テーマはシリアスでなかなか際どい描写ですが、設定が恋人ではなく親子になっているのが見どころです。LGBT映画の中でもトップクラスの出来と言っても過言ではありません。

RENT/レント(2005年・アメリカ)

RENT/レントは2005年にアメリカで公開されたヒューマンドラマで、「歌うように愛したかった。踊るように生きたかった。燃える尽きるその瞬間まで」というキャッチコピーで80年代のニューヨークを舞台にアーティストの卵たちの姿をつづっています。監督を務めたのは「ハリーポッターと秘密の部屋」のクリス・コロンバスです。

映画のタイトルになっているRENTは家賃のことで、家賃も払うことができないような貧しい生活の中でドラッグやエイズなどの問題に直面しながら夢に向かって奮闘しています。

ミュージカルから映画化されたものですが、歌も踊りも音楽もスケールがかなり大きく見ごたえのある映画です。

いつかの君へ(2007年・日本)

いつかの君へは、2007年に日本で公開されたヒューマンドラマです。美大で写真を専攻している男子学生とその双子の弟、クラスメイトなどが禁断の愛に目覚めていくストーリーになっています。3人がじわじわと心を寄せ合うプロセスを死生観も合わさりながらナチュラルに描写されています。

BL映画として高い人気を集めており、ほどよい爽やかさがあって純粋な恋愛に胸を打たれる人が続出しました。名シーンがたくさんあり、思わずグッとくるようなシーンもあります。

ボーイスラブ系の映画に抵抗がある人や濃厚なシーンは苦手という人におすすめしたい作品です。セクシーでありながらコメディタッチもあり、主人公の移り変わる気持ちも上手く表現されています。

スプリング・フィーバー(2009年・中国・フランス・香港合作)

スプリング・フィーバーは、2009年に中国・フランス・香港で合作された映画で、第62回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞している作品です。「天安門・恋人たち」の上映をきっかけに中国電影局によって映画製作や上映禁止処分を受けた監督が処分を無視して撮影を行ったラブストーリーです。

南京の日常の中において紡がれていく普遍的な愛の物語を描いており、出演したのは回路のチン・ハオたちです。

ある日を境にすべてが変わってしまい、どうにもできない無力感だけが残るというどの作品にも共通するやるせなさが胸に残ります。最後まで目が離せない展開で考えさせられることも多い作品です。

僕の恋、彼の秘密(2004年・台湾)

僕の恋、彼の秘密は2004年に公開された台湾映画で、台北を舞台にゲイの青年たちが織りなす恋の行方を爽やかに描いている作品です。低予算でありながら異例のロングランヒットを記録したラブストーリーで、日本でも高い人気があります。

出演者はオール男性という映画ですが、監督を務めているのは女性です。LGBTを取り扱っている映画は影のような部分が目立ちますが、この作品は楽しく作られていて見ると楽しい気分にさせてくれます。

コメディタッチで描かれており、主人公の友人のキャラはかなり独特な雰囲気ですが、シリアスになるような部分はありません。主人公がピュアでかわいいのも映画の見どころです。

愛の言霊(2007年・日本)

愛の言霊は、ボーイズラブの世界で人気を博している漫画家・紺野けい子が同名コミックを原作に男性同士の純粋な恋愛を描いた恋愛ドラマです。人気俳優の2人が美しく大胆なラブシーンを熱演したことで話題になり、離れたり寄り添ったりする2人の気持ちが胸に刺さります。

観ていると幸せなんだろうなと思う内容で、BLという枠にくくってしまうのが勿体ない作品です。ストーリーも無理なく面白いですが、ストーリーが進むにつれて愛おしく感じるようになります。

原作ファンからも高い評価を得ている作品で、原作と内容は完全一致してないものの、ふんわりとした雰囲気がよく表れています。

体育館ベイビー(2008年・日本)

体育館ベイビーは2008年に日本で公開されたボーイスラブストーリーで、監督を務めたのは狼少女の深川栄洋です。主人公の共栄部のエースを演じたのは、仮面ライダー電王の中村優一です。

夏のインターハイ予選でエースはライバルの村井に負け、村井に懇願されてコーチを務めることになります。ほどなく受験勉強を優先させた潤が村井に唇を奪われて二人の関係が深まっていきます。

好きになった相手がたまたま男性だっただけで、内容は異性恋愛系の映画と変わらず純粋なラブストーリーです。登場人物がイケメンでかわいかったこともあり、女性から高い人気を得た作品の1つです。

バッドエデュケーション(2004年・スペイン)

バッドエデュケーションは2004年に公開されたスペインのドラマ映画で、監督や脚本を務めたのはペドロ・アルモドバルです。フランシスコ・フランコ政権下における抑圧的な神学校での少年二人の友情と初恋を描いています。

神父による性的虐待や現代の成人した彼らの姿が交錯して物語が描かれており、保守的な神学校で青春時代を過ごした監督の半自伝的な作品でもあります。

後半はサスペンス映画のような展開になっており、アップダウンもあって最後まで楽しく鑑賞できます。また、直接的な表現ではないものの、LGBTに対する偏見をなくそうとする監督の意図もところどころに見えてきます。

プルートで朝食を(2005年・アイルランド・イギリス合作)

プルートで朝食をは2005年にアイルランド・イギリス合作で作れられた映画です。パトリック・マッケーブの小説をニール・ジョーダン監督が映画化し、自分のアイデンティティに悩む青年が自分を捨てた母親を探す旅に出て自分自身を見つめ直していきます。

LGBT映画に分類される作品で、男性の体に生まれた女性の心を持った主人公を巡る人生や家族の絆などが色濃く描かれており、爽やかな感動を与えてくれます。

70年代のアイルランドという時代も上手く作られており、主演のキリアン・マーフィの容姿についても絶妙に似合っています。変装しているよりもそれ以上のものを感じさせる化け方も魅力的です。

レター・デイズ Latter Days(2003年・アメリカ)

レター・デイズは2003年にアメリカで公開されたロマンス映画で、カリフォルニア州のロサンゼルスで公開されました。監督と脚本を務めたのはC・ジェイ・コックスです。

ロサンゼルスのレストランで給仕として働くゲイのクリスチャンは毎晩のように男を連れ込んでつかの間の関係を持つという関係を続けていましたが、隣に数人の青年が引っ越ししてきたところから物語が展開します。

ゲイである自分を封じ込めてきた青年が開放的に遊んでいるゲイと知り合い、そこから本気の恋に発展しますが、内容はとても切なくて素敵です。宗教が絡むテーマですが、内容は分かりやすくスッと入ってきます。

タクミくんシリーズ(2007年・日本)

タクミくんシリーズは2007年に日本で公開された映画で、原作となっているのはBL小説です。2007年に1作目が公開されましたが、その後も5作目まで製作されています。脚本は金杉弘子、監督・編集を横山一洋が務めています。

主人公のギイと託生の愛し合うカップルの話しで、その関係は人目を忍ぶ秘密の恋でしたが、学内の生徒会行事と託生の兄の墓参りが同じタイミングになったところから物語が展開していきます。

ボーイズラブというジャンルではあるものの、何かを犠牲にしてでも貫き通したい愛がそこに見えます。切なくなるほど美しい世界観が魅力的で、原作を知らなくても楽しめます。

藍宇 〜情熱の嵐〜(2001年・香港)

藍宇 〜情熱の嵐〜は2001年に香港で公開された映画で、原作は台湾で出版された北京故事です。監督務めたのはスタンリー・クワン氏で、自らもカミングアウトした過去があります。

プレイボーイの青年実業家、ハントンが地方から来たばかりの貧乏学生ランユーを買い、一夜限りの関係を結ぶところから話が展開していきます。切なくきれいな映画で、純粋でまっすぐなランユーに対するハントンの気持ちが伝わってきます。

同性、異性に関係なく素晴らしい愛を描いている作品です。二人の俳優は映画を通して気持ちが熱くなり、その後は1年間会ってなかったという逸話もあります。

王の男(2005年・韓国)

王の男は2005年に公開された韓国映画で、16世紀の韓国の宮廷を舞台に繰り広げられていく歴史ドラマになります。地方から都にやってきて王の前で芸を披露するようになる芸人の運命をたどっています。

16世紀の宮廷を見事に再現しており、宮廷絵巻に魅了されます。女形のコンギルを演じたイ・ジュンギが女性以上に女性らしく、化粧をしていなくても女性と見間違えるような美しさも魅力です。

2人の愛は同性愛という枠に収まるようなものではなく、純粋で無償に注ぐ愛がとても美しくて感動します。自らの命をかけても守りたい相棒でもあり同士でもある2人の関係が愛おしく感じます。

後悔なんてしない(2006年・韓国)

後悔なんてしないは2006年に韓国で公開された同性愛ドラマで、大胆な濡れ場や繊細な心理描写をきめ細やかに演じたのはイ・ハンとイ・ヨンフンです。さまざまな苦難やトラブルを乗り越えて結ばれるために葛藤する2人の姿が感動的な作品となっています。

ゲイ役を務めているイ・ヨンフンがチャーミングでかわいく、孤児院から社会に出るシーンやそれから社会の荒波に揉まれて変わる気持ちを演じています。未来がありそうな結末もグッドです。

周囲から見ると少し人騒がせな恋人たちのようにも見えますが、ちょっと泣いて笑って人を好きになれる2人がうらやましくも感じます。音楽や演出も素晴らしく、終わったらもう1度みたくなる傑作です。

太陽と月に背いて(1995年・イギリス・フランス・ベルギー合作)

太陽と月に背いては、1995年にイギリス・フランス・ベルギーで合作されたヒューマンドラマです。タイタニックで一躍有名になったレオナルド・ディカプリオが主演を務めている作品でもあります。

19世紀のフランス象徴主義の代表的詩人のアルチュール・ランボーとヴェルレーヌの軌跡を描いており、若く美しく才能あふれるランボーとお酒に溺れて狂暴な感情の爆発と内気な優しさという矛盾をはらむヴェルレーヌの出会いから物語が進みます。

天才同士のバカップルという表現がぴったりのゲイ映画で、レオナルド・ディカプリオがより美しい映画とも言われています。切なくてつらいシーンもありますが、愛情の世界がとても美しく見ごたえがあります。

Mr.レディ Mr.マダム(1996年・アメリカ)

Mr.レディ Mr.マダムは、1996年に公開されたコメディ映画です。監督はエドアール・モリナロで、人気オカマクラブ・クレージー・ケージを経営するレナトとアルバンのおかまカップルに事件が発生するところから物語が進んでいきます。

フランスで大ヒットした舞台劇を映画化したものでなんとも言えない世界観とつつましさ、生きるオカマ達の涙ぐましいヒューマニズムのブレンドが絶妙です。突然の息子の結婚に慌てている中年のおかまカップルの姿が面白いです。

この映画が公開されたころは今に比べてゲイが生きにくい世の中でしたが、それでも自分たちの愛を信じて貫こうとする姿勢や感情は今見てもグッときます。笑えて感動もあっておすすめの作品です。

バードケージ(1996年・アメリカ)

バードケージは、1996年に公開されたアメリカ映画で「Mr.レディMr.マダム」をハリウッド版にリメイクした作品となっています。

フロリダの夜を彩るショー・クラブ“バードケージ”のオーナー兼演出家の夫となるアーマンドと彼の相棒でお店のトップスターのアルバートは仕事の上でも私生活でも最高のパートナーでした。そんなある日、息子が結婚したいと言い出し、婚約者は保守派の議員で、常識も性別も超えたアーマンドとアルバートの関係を理解してもらうために奮闘します。

嫌な人は出てこず、安心して最後まで見られる作品です。自分の境遇を言うべきか、言わざるべきか、そのような悩みを持っている人にも見て欲しい作品です。

ぼくのバラ色の人生(1998年・フランス)

ぼくのバラ色の人生は、1997年にフランスで公開されたドラマ映画です。MtFトランスジェンダーの子供とその家族が周囲の偏見や差別にあいながらも懸命に生きていく姿を描いている作品になります。

幼くして女の子になりたいと願い続ける男の子がまっすぐな視点で描く感動のドラマです。この後にハリウッドに進出することになるベルギー出身のアラン・ベルリネールは1997年にヨーロッパ映画賞で脚本賞を得ています。

オレンジや赤色が多く使用されていてハッピーな雰囲気にも感じますが、内容はかなりヘビーです。周囲の理解を得られないことや家族に理解されない辛さがダイレクトに胸に刺さってきます。

ウエディング・バンケット(1993年・台湾・アメリカ合作)

ウエディング・バンケットは、1993年に制作された台湾・アメリカの合作映画です。第43回のベルリン国際映画祭において最高賞の金熊賞を獲得しており、台湾のアカデミー賞と言われる金馬奨においては5冠に輝きました。

台湾人青年のウェイトンはマンハッタンにおいて恋人のサイモンと暮らしていましたが、ウェイトンは自分がゲイであることを両親に告げられずにいました。偽装結婚で両親にゲイであることを隠し続けようとしましたが、両親が渡米してきたことで物語が大きく進みます。

ほんのつかの間の偽りのはずが、想定外の出来事の積み重りによって人生や家族の姿を浮き彫りにしていきます。

トーチソング・トリロジー(1988年・アメリカ)

トーチソング・トリロジーは1988年に公開されたアメリカの傑作舞台の映画で、作品のファイアスティン自身が脚色して主演を務めています。女装が趣味でゲイでありながら、素晴らしい芸人でもある主人公を軸に展開されるコメディドラマです。

自分に正直に生きようとするゲイに対する周囲の差別や無理解などが1つの障害として立ちはだかっています。悲劇に見舞われてもユーモアを忘れることなく日常をこなす美しい人の姿も見どころです。

内容だけで見ると重たい感じがするかもしれませんが、コメディタッチで描かれていることで重さは緩和されています。最後まで楽しく見ることができる作品です。

御法度(1999年・日本)

御法度は1999年に日本で公開された日本映画で、監督を務めているのは大島渚氏です。幕末に生きた新選組の世界を独自の解釈でつづっている作品で、幕末の京都を舞台にひとりの美少年隊士をめぐって引き起こされる愛憎劇が見どころです。

ビートたけし、松田龍平、浅野忠信、武田真治が主演を務めています。新選組が好きな人にはたまらない作品で、ところどころに伏線や謎がちりばめられているため、何度も見返したくなる映画です。

好きな男を自分の手で殺したくなる男は、本当に好きだから自分のものにしたいのか考えさせられます。狂気と正気の狭間で織りなす人間同士の本能や理性、心情など、視点を変えながら楽しめます。

プリック・アップ(1987年・イギリス)

プリック・アップは1987年にイギリスで公開されたノンフィクション映画です。舞台となっているのは1960年代のロンドンで、恋人同士であった作家のジョー・オートンとケネス・ハリウェルの出会いから最後を描いています

同時のロンドンでは同性愛が禁止されており、2人の関係には大きな試練が待ち受けていました。また、ホモセクシャルというタブーの中で恋人であり同士であったジョー・オートンだけが羽ばたき、自分だけが取り残される悲壮感も漂ってきます。

公開されてからかなりの月日が経っていますが、今でもLGBT映画の中では高い人気を誇っています。センセーショナルな部分もありつつ、いろいろと考えさせられる作品です。

イン&アウト(1997年・アメリカ)

イン&アウトは1997年にアメリカで公開されたコメディ映画で、自分の教え子によってゲイであることを暴露された教師とその周辺の悲喜劇を描いています。1994年の66回アカデミー賞におけるトム・ハンクスのスピーチがベースになっています。

60年代から80年代のアメリカ芸能が色濃く出ている作品で、キャストの豪華さや作品にマッチする音楽、美しいアメリカの田舎風景などが印象的です。元気がなく、深く考えたくないときにおすすめの作品です。

また、本作の舞台となっているのは大都市ではなく閉鎖的で保守的な場所です。男は男らしく、女は女らしくの風土でゲイに見られたときの肩身の狭さは想像を絶します。

アメリカン・ビューティー(1999年・アメリカ)

アメリカン・ビューティーは、1999年にアメリカで公開されたファミリードラマです。第72回アカデミー賞で作品賞のほか、全部で5部門を受賞しています。あるサラリーマン家庭の崩壊劇を通じ、現代アメリカの理想的な家族の裏側に潜む孤独をシニカルな視点で描いています。

ごく平凡な家庭の調和が少しずつ崩れていく内容となっていて、どんな人にも裏があってその領域には入り込まない方が自分のためだと言うメッセージが伝わってきます。

非日常的なできごとによって生活が崩壊していく様子や、平凡な日常であることがいかに幸せなことであるかなど、今の自分が置かれている立場を改めて見直すきっかけになる素晴らしい映画です。

渚のシンドバッド(1995年・日本)

渚のシンドバッドは1995年に日本で公開されたヒューマンドラマで、夏・恋・友情・孤独などのテーマが凝縮されている作品です。登場人物の切ない心情をすくい上げている作品で、月日が経ってもその色は褪せることがありません。

登場人物の曖昧な心がそのまま描かれていて、物語の主要人物の6人のうち誰かは自分と重なるという人が大半ではないでしょうか。基本的にはゲイの青年と彼に思いを持つ少女の姿を描いています。

今の若い人でも名前は聞いたことがある!という人も多い作品で、公開されてから月日が経っても作品の価値は色あせません。

セルロイド・クローゼット(1995年・アメリカ)

セルロイド・クローゼットは、1995年にアメリカで公開されたドキュメンタリー映画です。ハリウッドの歴史の中でLGBTがどのように描かれてきたかどうかについて、インタビューを通して検証していく内容です。

タイトルとなっているセルロイド・クローゼットは「フィルムを保管する場所」という意味があり、そこから偏見や差別から身を守るための逃げ場所や映画の中においてクローゼットの中に閉じ込められていたという意味が込められています。

性的少数者の描かれ方についても恐怖・吹聴の対象だったのが、生き方の一つに代わっているのも分かります。LGBTの歴史を知れるおすすめの映画です。

3人のエンジェル(1996年・アメリカ)

3人のエンジェルは、1996年にアメリカで公開されたブレイドのW・スナイプス主演によるコメディ映画です。女装したゲイのコンテストに出るために出発したドラッグクィーンがハリウッドまでさまざまな思いを巡らせます。

スナイプスなど3人の肉体派の女装は見もので、色っぽいスェイジはゴールデン・グローブ賞を獲得しています。とにかく3人の個性が強くキャラが立っていて、ファッションセンスも抜け目ないのがすごいです。

見ると自然に笑顔になるシーンも多く、気分が落ち込んでいるときやテンションを上げたいときに見ると元気になれます。山場が要所要所にちりばめられているのもグッドです。

シェイクスピアと僕の夢(2008年・アメリカ)

シェイクスピアと僕の夢は2008年にアメリカで公開された映画で、2008年に東京国際レズビアン&ゲイ映画祭でアジア初上映された作品です。シェイクスピアがもとになっているのでストーリーは面白く音楽も演出も素晴らしい作品です。

ゲイゆえに学校でいじめられている高校生を中心に展開され、明るい音楽と演出で物語が進んでいきます。ゲイをテーマにしているミュージカル映画はたくさんありますが、その中でも特に笑えて泣けて楽しめます。

ボーイ・ミーツ・ラブ(2004年・カナダ・イギリス合作)

ボーイ・ミーツ・ラブは2004年に公開されたカナダ・イギリスの合作映画で、監督を務めたのはイアン=イクバル・ラシードです。日本では2005年に上映されて当時話題になりましたが、映画祭における邦題のタイトルはタッチオブピンクになっています。

離れて暮らす家族に自分がゲイであることを隠し、ボーイフレンドと家族との狭間で揺れながら自分自身と向き合う姿を描いています。

シリアスなテーマでありながら、内容はほのぼとしているシーンもあって見やすいです。ちょっと変わったハートウォーミングラブストーリで、自分を隠す苦悩や葛藤も分かりやすく表現されていて最後まで目が離せません。

ブエノスアイレス(1997年・香港)

ブエノスアイレスは、1997年に公開された香港映画です。香港の裏側にあたるアルゼンチンを旅するゲイカップルの話で、2人の関係を修復するために訪れていました。しかし、途中で喧嘩別れをしてしまいカップルの1人のファイはブエノスアイレスで働くことになります。

男同士の切ない恋愛や人間模様を描いたラブストーリーで、激しく愛し合いながらも傷つけ合う関係は同性愛者の恋愛を象徴しているようです。

イグアスの滝を上空から捉えたショットは非常に美しく、このショットのようなマジック・リアリズム的な映像と即興による自然な芝居が合わさっています。リアルな夢を見ているような気分になれます。

ピンクフラミンゴ(1972年・アメリカ)

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ピンクフラミンゴは、1972年にアメリカで公開されたコメディドラマです。監督はジョン・ウォーターズが務めていますが監督自身もゲイです。家族とともにトレーラーで生活している巨女のディヴァインとマーブル兄妹の地上でもっとも破廉恥な人間の座を巡って争います。

性的マイノリティーを扱う映画に対して共感や理解、哀れみなどの感情を持ってみる人が多いですが、この映画はグロテスクな世界が楽しめる別視線のLGBT映画です。

セックス、ドラッグ、殺人、共食い、名声など、一般的なLGBT映画とは一線を画しています。重たい感じのLGBT映画が苦手な人や新たな視点で楽しみたい人におすすめの映画です。

パリ、夜は眠らない(1990年・アメリカ)

パリ、夜は眠らないは、1990年に公開されたドキュメンタリー映画です。女流監督による異色の映画で、登場人物の多くが黒人でありゲイであるという特徴もあります。

物語の舞台となっているのは1980年代のレーガン政権の時代で、エイズの恐怖が世界中でパニックを引き起こしていました。セクシャルマイノリティにとって生きにくい状況の中、実家を飛び出すなどして居場所のない人々がハーレムに集まってコミュニティを形成しまいた。

この頃はあこがれの自分を演じるという行為こそがアイデンティティを得るために、そして自分の居場所を確保するための手段だったのかもしれません。

メーキング・ラブ(1982年・アメリカ)

メーキング・ラブは1982年にホモ・セクシャルを題材にA・ヒトラーが描いたアメリカのヒューマンドラマです。

医師として働く主人公のザックは幸せな日々を送っていましたが、心の中はいつも満たされない気持ちでした。そんな中、患者の1人でゲイのパートと出会って2人は結ばれるようになります。

俳優の演技が秀逸で、主人公を誘惑する患者役も上手に演じています。以前はVHS版しかありませんでしたが、今はDVD版もリリースされています。LGBTであることを認めることへの葛藤、その後の人生の設計など、さまざまなことを考えさせられる内容となっています。

パートナーズ(1982年・アメリカ)

パートナーズは1982年にアメリカで公開されたコメディ映画で、ゲイ殺しの捜査のために2人の警官がゲイのカップルを偽造するところから物語が展開していきます。主な登場人物は女好きのモテ男であるライアン・オニールと相棒を好きになってしまうゲイ役をジョンハートが演じています。

当時はさまざまなLGBT映画が公開されていますが、この映画は前半を中心にかなりコメディ色が強く明るい気持ちで楽しめる作品です。

また、やきもちや美女の登場などで心が翻弄される姿も見どころとなっています。後半はコメディ色が少し落ち着く代わりに、サスペンスとして次は盛り上がっていきます。

同級生(1998年・イギリス)

同級生は1998年にイギリスで公開された青春ドラマで、イギリスの高校生が主人公で同性に恋をしてその行方をほろ苦く爽やかに描いています。16歳の普通の高校生スティーブンが恋をした相手はガールフレンドがいる学校一の人気もので、最初は単なる片思いでしたが、次第に二人の距離が縮まっていきます。

ゲイの高校生が悩みをカミングアウトするまでの葛藤や恋愛、セックスなどがリアルに描かれており、モーリスやアナザーカントリーなどと並んで人気が高いLGBT映画です。

映画を色で例えるなら空のような色で、さまざまな人の心情や景色が美しく描かれています。男性陣だけでなく女性陣の活躍も見どころです。