日本の観光地でも中国人を見かけることは多いが、過去3年連続で中国人に人気の旅行先となっていたのがタイだ。日本からも比較的近い距離にあるため、ゲイの間でも海外旅行でタイを選ぶ日本人も多い。これまで旅行先として人気だったタイだが、2019年に入ってから中国人観光客が少しずつ減っている。
■中国人の観光客が減少した理由
中国人観光客が減少した理由として挙げられるのが、2018年に発生したプーケットにおける船の転覆事故だ。中国人観光客の犠牲者が多数となった事故だが、暴風雨にも関わらず、警告を無視し催行したツアー会社の責任と言われている。また、超低価格ツアーそのものが違法だと発言したタイ副総理に対する反感もある。
また、タイ旅行は海辺のリゾートや現地マーケットの散策がメインになりやすいが、旅行に慣れている中国人は、こうした雰囲気に慣れていることから飽きてきたのも理由として考えられる。
■政治的要因もある
中国人観光客が減少しているのはタイだけではない。アメリカに行く中国人観光客も減少傾向にあるように、中国と国との関係によって旅行先にするかどうかが変わる。
香港や台湾なども中国人に人気の高い旅行先だが、最近は政治的要因によって著しく減少傾向にある。台湾に関しては2019年8月から個人旅行が当面中止と言った事態になっている。
■中国観光客を狙う国は多い
さまざまな国で政治が起因して中国人観光客に対してネガティブになりつつある。日本の観光市場においても、中国市場に頼りすぎないように取り組みを増やしていく必要があるだろう。
日本も中国人観光客によって観光業が潤っている事実もある。日本はタイと違い、地域ならではの体験コンテンツが充実しているのも強みだ。
日本産のアニメや漫画、ゲームなどのコンテンツに対し、あこがれを持つ中国人ファンも少なくない。政治的要因のリスクは完全に排除できないが、継続的な情報発信や旅行者目線の観光コンテンツの開発は重要になってくるだろう。