スイスの銀行大手UBSの調査によると、資産家一族の資産管理を目的に設立されたファミリーオフィスは米中の貿易摩擦や欧州連合からイギリスが離脱などのネガティブな情勢を警戒し、現金の保有比率を高めている。
UBSの調査では360のファミリーオフィスを対象に行われたが、2019年の年初めから現金比率を高めたファミリーオフィスは42%に達している。現金の割合は7.6%で前年と比較すると70ベーシスポイントも上昇している。
来年までの景気後退入りを見込む向きは50%を超えており、特にEU離脱がイギリスにマイナスの影響を及ぼすという懸念を持っている人が多くいる。地政学的にも暗い見通しを持っており、気候変動が世界にとって最も深刻な問題と考える人も50%を超えた。
ファミリーオフィスの見方は、金融機関や保険会社の見方と異なっているわけではない。他の機関も同じように危惧しているのは事実である。世界の富裕層の方が柔軟性が高い投資ができるため、特定のベンチマーク指数に縛られることもない。