空飛ぶ車!と聞くと、SFをイメージする人は多いだろう。車が誕生してから150年近く経つが空飛ぶ車は実用化されていない。
そんな空飛ぶ車だが、そう遠くない未来に日本でも現実の移動手段になることが予想されている。政府が閣議決定した未来投資戦略で掲げた次世代モビリティシステムの構築に向けた新しい取り組みにおいて、モビリティ革命と共に世界に先駆けて空飛ぶ車の実現を目指す方針を示している。
■トヨタが多額出資
トヨタ自動車が空飛ぶ車の事業運用を目指すために出資したのは、米新興企業ジョビー・アビエーションだ。ジョビーは2009年に設立した会社で、米カリフォルニアに本社を構えて空飛ぶタクシーの機体開発やサービスの実現を目指している。
トヨタはジョビーにトヨタ生産方式のノウハウを提供し、設計・素材・電動化の技術開発に加わって、品質とコストを両立させる機体の量産化を推し進めて行く予定だ。
ジョビーの創業者で最高経営者のジョーベン・ビバート氏は「10億人以上の毎日1時間以上の通勤時間短縮を手助けするという夢の実現に向け、トヨタの優れた製造技術を活用できることを楽しみにしている」と前向きだ。
■空飛ぶ車はどうなる?
空飛ぶ車は垂直に離着陸し、ヘリコプターやドローン、小型飛行機の要素を併せ持つ機体、運用、メンテナンスのコストを抑えつつ、安全性や環境性、静粛性などに優れ、道路の渋滞や過疎地の輸送などの交通課題を解決できる移動サービスとして注目されている。
ちなみに、欧米では固定翼があるタイプの空飛ぶクルマの開発も進んでいるが、長距離を飛べる一方、機体が大きくなって陸上で走れる場所や着陸する場所が限られてしまうデメリットもある。
スカイドライブは機体の四隅に8つのプロペラを配置し、2人乗り、世界最小サイズの実現を目指している。ドローンを大きくしたような機体であり、滑走路がなくても駐車スペース2台分くらいあれば垂直離着陸できることから街中での運用も期待される。