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天才ハッカーの活躍!ホワイトハッカーの今後

「漫画村」と聞いてピンと来る人も多いだろう。漫画村とは人気漫画の海賊版を無断で掲載していた国内最大規模のサイトだが、2019年の9月にサイト運営者が逮捕されたのは記憶に新しいところだ。

5万点以上の漫画や雑誌が違法にアップロードされ、1ヶ月の訪問者はのべ1億人を超えていたと言われている。

■漫画村が与えた損失

漫画村は出版社や作家に多大な損失を与えることになった。国がサイトの強制遮断措置をするに至ったが、これも漫画村がきっかけとなっている。サイトは2016年の1月から2年あまり運営されていたが、国家権力が乗り込んでも契約者の情報が明らかにならないウクライナの特殊サーバーが使用されていた。

漫画村のサイトが誕生してから、2年以上も何もできなかったのは、運営者の特定が困難だったからだ。

■漫画村を追い詰めたのは天才ハッカー

漫画村の運営者を追い詰めたのは、当時20歳のホワイトハッカーだ。ネット上にある情報をかき集めて、漫画村の実態に少しずつ迫っていった。集めた情報はすべてオープンになっているもので、調査方法は国家の諜報機関が重視するOSINTに近い形だ。

そんな卓越した分析能力を持っているホワイトハッカーの正体は学生時代をひきこもりで過ごしてきた若者である。このようなことができるのは、インターネットを取り巻いている技術が世界共通であることが大きい。

言葉の壁が気になるかもしれないが、グーグル翻訳機能を使えばある程度の言葉は分かる。誰にでも平等に与えられたインターネット環境が、若者たちを引き寄せているわけだ。

■ホワイトハッカーの活躍が期待される

日本には漫画村を追い詰めたホワイトハッカーのような若者がたくさんいる。国家権力も喉から手が出るほど欲しい人材である場合もある。しかし、天才ハッカーはコミュニケーションを取るのが苦手だったり、外に出るのを嫌ったりするため、アクティブな人ばかりではない。

海外ではこうした若者ハッカーを受け入れる体制が整いつつあるが、日本はまだまだ体制が不十分となっている。才能に社会的な価値を与え、活用できる仕組みが国を挙げて求められる。