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経済が減速中でも失業率が低下する謎!韓国の経済状況に迫る

韓国の経済がどんどん冷え込んでいる現状にある。通常であれば、経済が低迷すると失業率が増加するのが普通だ。経済活動の低下→企業の倒産が増える→失業者が増えるという関係性が成り立つ。

しかし、韓国の経済指標を見ると失業率は増加するどころか低下し続けている。景気が悪化しているのに、なぜ失業率が低下しているのか気になるところだ。

高齢者の短期雇用増加のマジック

失業率の増加は周辺諸国にネガティブなイメージを与える。

そこで韓国は失業率を低下させるために、高齢者の短期雇用増加を増やす方向に舵を取っている。1つの仕事に9時間かかる場合に、1人が9時間の仕事をするのも3人が3時間ずつ9時間の仕事をするのもかかる時間は同じである。

しかし、1人で1つの仕事をする場合に比べて、1つの仕事に対して3人の雇用が確保できることになるため、失業率は低下する関係が成り立つわけだ。

失業率の低下=景気の回復ではない

就業者が増えても、1人の働く時間は大幅に減るため、1人が受け取る賃金はどんどん下がっていく。そうなると生活水準が下がってしまい、消費意欲も低下してしまうだろう。

韓国では60歳以上の雇用が増加基調になっているが、ここ最近はその傾向が特に著しい。これは韓国の高齢化社会に伴うものであり、今後の展開を考えたときに韓国の雇用情勢は不安定に推移する恐れがあるので注意が必要だ。

韓国労働市場の先行き不安

韓国のスタンスは、企業の活力を高めて生産性の向上を目指すという先進国とは違った方向性だ。企業の活力を高めることが就業者数の増加につながるという部分にもつながってくるが、高齢者の就業者が原因で他の世代の雇用が失われる可能性も無視できない。

韓国労働市場だけで見ると失業率の低下はポジティブに思えるが、韓国労働市場の先行きは完全に不安定である。労働者の不安や不満も高まっているため、ひと悶着があることも想定される。