「自らをLGBTQだと考える若者の40%が過去1年の間に自殺を考えた」というショッキングな調査結果がある。アメリカのNPO法人が調査した内容だが、かなり大規模な調査であり、情報の信憑性も高い。
トランスジェンダーとノンバイナリーに限って言えば、50%以上が自殺を考えたことがあり、その中の30%は自殺を試みたことがあるというから驚きだ。調査を行ったNPO法人は、性的マイノリティの自殺防止に向けた活動も行っている。
LGBTQが自殺願望に直結するわけではない
LGBTQであることが自殺願望の高さにつながるわけではない。社会がLGBTQに対してどのような扱いをするかどうかが重要なのだ。性的マイノリティであることは社会的に汚点と見られ、そうした偏見の目や生きずらい世の中が自殺願望を高めているのだ。
以前に比べてLGBTQに対する理解や支援する取り組みは広がっているが、すぐに性にオープンな世の中になるわけではない。若者たちのメンタルヘルスに悪影響を及ぼすのは、性自認や性的指向について伝えた相手が自分の性を見直すように圧力をかけてくることだ。
つまり、「君は間違っている」と否定されることである。
オンラインが逃げ場になっている
インターネットが普及し、オンラインでさまざまな人と繋がれるようになった。知らない人同士が簡単に交流できるようになったことで、危険性が高いと言われることもあるが、LGBTQにとっては有効な交流ツールとなっている。
日常では自分と同じような境遇の人と出会う機会は少ないが、オンラインでは自分と似た境遇の人と交流ができる。そこでお互いがお互いの人格を肯定することで、自分が認められた存在だと思えるようになるのだ。
LGBTQの悩みを支える場がオンラインで広がっている。インターネットを使いこなし、SNSでつながりを多く持つ人ほど寂しさを感じる人は少ない。また、情報収集という点でもオンラインは有効だ。身体や精神の健康状態に関する情報をオンラインに頼る傾向が強い。
このように、オンラインサービスを通してLGBTQの自殺願望を抑制できるかもしれないと注目されている。