年金制度は日本だけでなく世界各国にあるが、日本の年金指数は世界37ヵ国中31位という最低クラスを記録した。若者の年金支払いは減る一方で、年金を必要とする高齢者が増えている現状が年金問題を加速させている。
世界の年金事情
年金指数トップ5は以下の国だ。
1位: オランダ
2位: デンマーク
3位: オーストラリア
4位: フィンランド
5位: スウェーデン
北欧諸国が上位を占めており、年金制度に暗雲が立ち込めていると言われているアメリカでも16位だ。
日本と同じくらいのグレードにある国は、中国・インド・韓国・メキシコ・アルゼンチン・フィリピンなどである。
年金指数の下位には軒並み新興国が並んでいるが、先進国である日本がその中に入っているようではまずい。
年金指数の算出方法
年金指数は以下の3つの要素から算出されている。
- 国民の資産の充実度
- 年金制度の持続可能性
- 規制など制度面の誠実度
などだ。この3つの視点は非常に分かりやすく、どれをとっても日本の年金制度がダメなのは分かるはずだ。
負担が増える若者層の年金未納は増える見込み
少子高齢化によって年金制度はぐらついているが、それ以上に深刻なのが年金を収めている若者の経済的負担が増えていることだ。
十分な賃金を受け取ることができず、生活費を払うだけで精一杯の家庭はたくさんある。年金制度の将来も見えない中、年金の支払いを自らの意思でやめる若者が増えている現状もある。
年金だけでは足りない?
これまで続いてきた世界最悪水準の年金制度が好転する可能性は極めて低い。そこで気になるのが、年金制度がどんな風に変わっていくかどうかである。年金だけでは足りないため、自分で資産運用し、保険商品などで備える人も増えるだろう。
もっとも年金制度の要となるのは政府の政策である。国民の将来に対する不安を解消するためには、議論のもとになるデータをオープンにした上で与野党ともに良い制度を作る必要があるだろう。