台湾は、LGBTに対して寛容的な国として知られていた。同性カップルもオープンに付き合えるような国柄で、同性婚と同等に認める特別法が可決されていた。同性婚が認められていたわけではなく、法的に結婚を望んでいるカップルからは反発があった。
保守派は婚姻という箇所をすべて削除し、同性の家族関係や同性同士の連盟など、パートナーシップの関係を打ち出していたが、中身がなく同性婚を否定するような内容になっていた。
そして、5月17日に最終的な審議が行なわれたが、ここで正式に同性婚を認める案が成立した。同性カップルが法的に認められたパートナーとして登録できるようになり、遺産相続や相互扶養、養子にすることも可能になった。
もともと同性婚については2年前から話があり、蔡英文総統も公約に掲げていた。
台湾で同性婚が認められたことはアジア諸国に大きな刺激を与えた
台湾はアジア地域では、同性愛者の権利について他国をリードしてきた。世界的にLGBTを支援する動きが活発化する中、アジア諸国のLGBT問題に関する取り組みで参考にしてきたのも台湾だ。
アジアには、パートナーシップのように結婚と同じような関係を認める国はあっても、異性婚と同じような婚姻関係を認める国はなかった。
LGBTを支援すると言いつつ、同性婚は認めないというスタンスを取る国に対し、不満の声が上がっている国も少なくない。今回、台湾で同性婚が認められたことで、他の国も同じように同性婚を法的に認めさせるための運動が活発化するだろう。
台湾で同性婚が認められたことは、アジア諸国のLGBTに大きな喜びや希望を持たせることになった。
しかし、ヨーロッパ諸国に比べると、同性婚についての理解はまだまだ乏しいのが現状だ。台湾はもともとヨーロッパのようにLGBTへの理解が深い国だったからこそ、同性婚が実現した。その道のりも簡単ではなく、長い時間をかけて実現したのだ。アジアで台湾のような国が出てくるまでには時間がかかりそうだ。