企業のLGBTQ施策を評価するのがPRIDE指標というものだ。2019年は大手銀行のみずほファイナンシャルグループやコカコーラ、アシックスなど152社が最高位のゴールドを受賞した。
PRIDE指標の取り組みがスタートしたのは2016年のことだが、4年間で応募企業は82社から194社に増えている。PRIDE指標がスタートした頃はLGBTQの施策そのものが珍しかったが、最近では取り組み企業の数がどんどん増えている。
こうした流れを作るのがPRIDEの目的だったため、功を奏していると言えるが、LGBTQ対策が当たり前になりつつある現状において、次のステップに踏み出す企業も増えている。
リクルートのLGBTQ対策
大手企業のリクルートは2018年にPRIDE指標でゴールドを獲得したが、ゴールドに恥じない会社にしたいという担当者の思いを形にするため、独自のLGBTQ対策を行ってきた、
その一つにeラーニングとガイドブックの作成があるが、施策として目新しいわけではないものの、チェック項目が87もあるという点に注目だ。
87項目の中には差別禁止を明文化させる内容もあれば、パートナーシップ制度の申請プロセスや男女別社内健康診断の配慮、専門機関の相談内容との連携などもある。
これらの項目はどの部分が制度として導入され、制度はないが個別対応ができるなど、現状をグループ会社の人事担当者や関連部署に確認をしている。
1つ1つの項目に関して、今後施策として導入するかどうか、ガイドブックに明記するのかどうか、各担当者が詳しく書き出して優先順位も決めた。
しっかり明記し、制度と文化の両方から取り組みを進める重要性を認識しているのだ。
今後の課題
これだけLGBTQを支援する企業が増えているにも関わらず、当事者が職場でカミングアウトするのは難しいのが現状だ。
理解だけでなく行動につなげるためには、LGBTの当事者が身近にいる実感や行動する環境も重要になる。今後は国や自治体、使用者も労働者側からも企業のLGBTQに関する意見や必要性が議論されるようになるだろう。