しばらく前のことになるが、2016年LGBTの歴史的な1日がある。毎年、世界各国で盛大に行なわれているプライドパレードがあるが、2016年のプライドパレードから約50日後にLGBTを象徴するレインボーフラッグが宇宙空間に掲げられた。
LGBTの歴史的な1日を企画したのは、アメリカのNPO団体「Planning Peace」だ。高高度でも耐久性に優れているパルーンの上に小型カメラとレインボーフラッグを設置して、地上からバルーンを飛ばすというもの。
目的は、基本的人権を勝ち取り、LGBTの権利と世界平和を祈ることだ。特に細かな細工はなく、小さくなっていくパルーンを目で追って、カメラから送られてくる画像を見守るというもの。
どんどん上昇したバルーンは、上空34,152mの宇宙空間に到達した。苦しいとき、空を見上げると夜空に満点の星が輝くように、レインボーフラッグが暖かく見守ってくれている。Planning Peaceの気持ちは、よく伝わってくる。
やがて宇宙空間に到達したバルーンは破裂し、落下して地上に戻ってきた。バルーンを打ち上げてから約3時間という短い時間だったが、たしかに宇宙空間にレインボーフラッグは存在した。宇宙空間に存在した時間が短い時間だとしても、無重力の空間で伸びきったフラッグは美しく映ったに違いない。
ちなみに、レインボーフラッグには、美しさと多様性という意味が込められている。各カラーに意味があり、性や太陽、自然、芸術、癒し、生命、調和、精神などがある。LGBTをイメージしているが、LGBTでない人からの理解は少ない。
日常においてレインボーグッズを身に付けているLGBTも多いが、宇宙にレインボーフラッグが掲げられたことで、よりLGBTを象徴することになった。
宇宙に掲げられたレインボーフラッグのように、派手なイベントや取り組みは海外が中心だが、日本でもLGBTの権利を求めるために、知らないところでさまざまな取り組みが行なわれている。日頃からアンテナを張って、どんなイベントが行なわれているのか注意深く見てみよう。